２０１２年６月号、オンライン版１６８号をお送りします。
金星の太陽面通過のあった６月６日の夜、レイ・ブラッドベリが亡くなったというニュースがネットを流れました。９１歳。最近までずっと現役で活躍していたにもかかわらず、昔の作品の印象が強く、懐かしさの方が勝ってしまうのですが、雨の降りしきる金星、霧の中で灯台に近づく恐竜、火星の運河に映る家族の顔、燃え尽きる流れ星への祈り、春の夜空を駆ける思春期の魔女、少年の前に現れる謎めいたサーカス……。かつてむさぼるように読んだ作品の数々が思い起こされ、センチメンタルな気分になってしまいます。ブラッドベリおじさん、今は太陽の黄金の林檎を取りに、宇宙の彼方まで行ってらっしゃい。本当に、素敵な物語をありがとうございました。
次号は７月２９日ごろに登録の予定です。