みだれめも・出納記録

22年1月・初春

水鏡子


 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願いします。
 コロナ禍の一年は、一日椅子に座って株とコロナ情報となろう読みしかしなかったせいか、1年の経過がいつもより早かったような気がします。みだれめもの執筆も、後半さぼってしまったし。
 とりあえず、3か月分の近況と、恒例になった21年の総括、22年の目標を。

 と、これは去年の巻頭の言葉を総括と目標の年を置換しただけのもの。
 いやあ、見事に変化がない。ちなみに、後半さぼったところも見事に同じ。
 SFベスト選びとか、その他いくつか小さい仕事が入っていって、それでもなろう読みを止められなくて、しわ寄せが雑文書きに来たというのが本当のところ。今年はこれに生まれて初めてネットゲームに手を出して、これが無料でできるのか!と感動してたら時間をいっぱい食われた。 ちなみにHERO WARSというゲーム。PCゲームと違ってリセットが使えないので、間違った戦術をやり直すためアカウント二つでやってたら、毎日七、八時間が消えていく。うーむ、そういう意味では変化はあるのか。

○10月の近況

 JR西日本がICOCA区域内の回数券を廃止した。分割購入による運賃の減額とか神戸大阪間の9回分運賃での11回分購入特典など、実質片道1000円だった大阪までの経費が1400円。往復で800円の出費増になった。当面12月の18きっぷ発売までは金券ショップの回数券で対応していくことになる。
 ブックオフが100円だった単行本類を200円に引き上げてから10年以上経ったろうか。今は消費税込みで220円である。逆に古本市場は88円だった廉価本を消費税の外税から内税への切り替わり時、値札の張り替えを嫌って税込80円に値下げした。月に一度21日ふるいちの日にはさらに10%引きのセールをやるのだが、いかんせん買いたい本が非常に少ない。
 そんな中での古本市である。デパートや室内開催のものは廉価本でも300円均一だったりするが、寺社境内の青空古本市は100円均一本がそこそこのスペースであるうえ、3冊500円などのまとめ売りの店が増えている。
 3冊500円である。ブックオフでは見かけない本が、ブックオフより安いのである。絶対に読まないと思っていても、気まぐれにページをめくりそうな本であれば、本棚に背表紙を並べる価値はたぶんにあるのだ。もしくは、たぶんあるのだ。

 第1週。大阪四天王寺の古本市は、CDや絵葉書類が多くの場所を占め、かなりの不満。スターログが200円で置いてあったので16冊全部買って帰ったが、ダブりは4冊にとどまり、まあまあ。
 第2週。大阪天満宮の古本市では、3冊500円で家で湿気でふやかせた創元SFを40冊ほど買い直し。6冊800円の店で保存状態ややワルの『西田幾太郎全集第三版』不揃い(19冊中14冊)を前にして少し悩んでいたところ、店主のお兄さんから声を掛けられまとめて800円で売ってもらえた。
 第3週。梅田阪神百貨店。きれいな本が割高で並んでいる。檀一雄『少年猿飛佐助 上中下』に2,500円をはたく。東映動画の原作本である。新聞連載であり出版元が東京創元社だったことにちょっと驚く。
 第4週は京都知恩寺。株主優待でホテルに一泊して向かうが若干の期待外れ。段ボールひと箱分しか買えなかった。前年は(前々年だっけ)」西村寿行の単行本が大量にあって、それだけでひと箱以上買ったのだ。帰路は吹田の天牛書店に寄って、途中のブックオフで買った本など含めてひと箱家まで送ってもらう。

 都合366冊。67,200円。クーポン使用の14,000円を含めると8万円である。最高冊数、最高金額である。新刊本が2万円近くあるというのも理由のひとつである。

 橋本治の遺作『人口島戦記』(未完)の定価1万円に驚いて衝動買い。株主優待で貰えるクオカードがなかったら多分買わなかったと思う。ただ、クオカードでの購入はブックオフや古本市場、まんだらけのような自社用金券とは異なるので、購入金額としてはクーポンでなく現金でカウントしている。書き出しで活写された昭和30年代日本風景は、さすが橋本治という凄味があるのだが、どうやらSFにはならなそうなので、SFベストの投票読みに追われる当面、四千五百枚の読破はできない。たぶんそのまま、書棚に寝ることになるのだろう。家にある橋本治は文庫単行本のダブりを含めて140冊ほどだけど、若いころ、一度一気読み後の自家中毒、免疫不全症候群を起こして急ブレーキがかかってしまい、読んでいるのはそのうち半分くらいだし。
 なろう105冊、コミック27冊、エラーのダブり本と買い直し本が合わせて50冊。
 硬い本の主なところでは、ばら売り講座本類では、前述の『西田幾多郎全集』(残5冊)、『澁澤龍彦文学館』(残1冊)、宮地伝三郎『動物記』(残2冊)、『リーディングス日本の社会学』(残8冊)など。他に『説話と思想・社会』『説話の始原と変容』など説話・伝承学会編集の年次刊行物というものを5冊拾っている。
 単発ものでは田辺寿利『デュルケーム社会学研究』、小関藤一郎『デュルケームと近代社会』、L.ラグラン『文化英雄』、佐和隆研編『仏像図典』、平山郁夫高階秀樹『世界の中の日本絵画』、Ch.シンガー『科学思想の歩み』、L.グリーンスパン『科学と自由』、リチャード・ドーキンス『進化とは何か?』、岩崎爾郎『物価の世相100年』、小林忠『墨絵の譜 ①②』、クルーグマン『ミクロ経済学』、スエーデンボルグ『天界と地獄』、内田義彦『作品としての社会科学』など。文芸畑では中野栄三『江戸時代好色文芸本事典』、銭谷武平『役行者伝記集成』、野谷士『ユートピア文学雑記』、高須梅渓『江戸情調と悪の賛美』、尾崎秀樹『歴史時代小説の作家たち』など。老化のせいか、通し読みする必要のない、事典系、図象の多いものの比率が上がっている。小説系ではひさびさに見かけたラッセル・ホーバン『それぞれの海へ』を買い直したほか、単行本の西村寿行『安楽死』、石原藤夫『宇宙船オルモロフ号の冒険』、金井美恵子『プラトン的恋愛』など文庫で持っているものを買い直す。帯がついていることが最後の一押しだったりする。

○11月の近況

 11月の購入冊数192冊。購入金額28,800円。クーポン使用12,000円。まんだらけ株主優待券の期限が12月末なので定価の7割ものまで買ってかなり必死に消化中。残り6,000円。そんな無理買いも理由にあるのか、ダブり本が21冊。一割を越えてしまった。新刊本は9,000円である。

 なろう90冊。コミック16冊。コミックの中には880円出したアラン・ムーアの『ウォッチメン』がある。
 硬めの雑本では、中野美代子『龍の住むランドスケープ』、横田健一『神話の構造』、松田道弘『とりっくものがたり』『面白いトランプゲーム』、グレゴリー・マンキュー『マンキュー経済学①②』、筒井喜隆『町人学者の博物誌』、NAISTIS書籍出版委員会『シンギュラリティ』など。あと、今月『悪魔事典』『武器事典』を拾った新紀元社だが、RPG資料シリーズは気がつくと20冊近くになっている。当然ダブり買いも発生している。
 SFベストの投票月ということで積み上げ本の消費に追われる。あとハヤカワJA文庫のレビューもあり、今年はけっこう古いSFや書評した作家の関連本の整理読みとか、それなりにSFファンした一年だった。

 『三体』は傑作になった。1作目で指摘した無理筋ご都合主義は相変わらずでむしろ、かさまし、度を越していくのだが、それがいい。じっくり見据えられた巨大なカンバスに雪崩れ込む無理筋ご都合主義の氾濫はもはや筆致と呼べるものと化し、無理が通って道理が引っ込む、稀有壮大な物語となった。結末の設定は陳腐だが長大な小説の〆としては平凡な括りの方がいいかもしれない。解説中に著者の言葉として、韓松作品の「三次元SF」に比して自分の作品は「二次元SF」であり若い読者が三五歳になったら「二次元SF」より「三次元SF」に惹かれるだろう、とのへりくだる言が引用されているが、還暦を過ぎた身には、この雑駁さ猥雑さのなかにこそ、SF原初のわくわく感、バイタリティーがあるように見える。洗練された各種中国アンソロジーだがその背後にこの「三体」があるのだと思うと、文化的にさらなる厚みと奥行きが浮かび上がる。日本の第一世代に置き換えるなら、韓松を星新一になぞらえてみると、『三体』は、作風は小松左京でも光瀬龍でもないけれど、『果しなき流れの果に』と『百億の昼と千億の夜』を合わせたものと象徴的に位置づけられる。著者に対してではなくあくまで作品についてである。現時点ではその、駄目な部分も魅力に変えてのオールタイムベストの一位に置きたい。

○12月の近況

 12月の大阪行きは5回。18切符の時期に入って、大阪例会の前後で途中下車やら高槻吹田まで足を伸ばしたりやらで購入冊数298冊。購入金額42,000円。月末有効期限による追い込みもあって、クーポンの使用が1万円分あるので実質5万円となる。

 そんな無理買いもあったせいか、この月もダブり本が39冊と1割を大きく越えている。比率的には21年中でも最高である。110円の文庫本のダブりについては割と耐性ができてきてるが220円のなろう本のダブりにはかなり気が滅入る。そんななろうが108冊と今年5度目の100冊越えで三年連続千冊突破であるのだが、ダブり本もなろうに限るわけではないし買い直しも含めてとはいえ、トータルで年間200冊越えのていたらく。同じような話、同じようなタイトルが並ぶので、読んだ本までダブり買いを繰り返している。おまけに半額の棚で何度も目にしていたりとか逆にWEBで中身を見ていたりとか、本当に持ってる本の記憶が曖昧になっている。面白いのは、いや面白くないのは、最初の4巻ほどしか持ってないシリーズの8冊目とか9冊目がポツンと並んでいるのを見かけ買って帰って、棚を見ると、確かに最初の4巻ほどはきちんと並んでいるのだが、買って帰ったのと同じ本だけがぽつんと離れてきちんと棚に鎮座していることがままあることだ。たぶん同じ時期にだぶついた巻がいっせいに100円本に落とされたりするのだろう。ひどい話だが同じ日に、京都と大阪で同じ本を買ってしまったこともある。コミック本も51冊と当年最高となった。『銀魂』『BLEACH』『ナルト』がほぼコンプリート状態で並んでいる。抜けが合わせて10冊くらい。一つの話で50冊100冊行くのがざらであるコミックだけに、50冊以上買っている漫画家は、100人は行かないまでも50人は越えている。そのしわ寄せがそろそろ書庫に押し寄せてきている。
 300冊近くの買い物であるのに、古本市がなかったせいで硬めの雑本は意外と少ない。給料bank『日本の給料職業図鑑』、スティーブン・オースタッド『老化はなぜ起こるのか』、市川貞治と怪兵隊『武勲の刃』、松岡正剛『花鳥風月の科学』、田中優子『春画のからくり』、『クイックジャパン 銀魂特集号』、あと新刊で買った荒巻義雄『SFする思考』、『ヤングアニマル 三浦健太郎追悼号』など。ちなみに新刊本には今月1万2千円ほど使っている。
 なろう本では蒼空チョコ『獣医さんのお仕事㏌異世界』が安直ながら意外な拾い物。著者名とかタイトルとか表紙絵からのどかなハーレムスローライフ系のお話と思い込んで、レジーナ本の親戚扱いで積んでたのだが、全冊揃ったところで手にしてみたら、フィールドワークで鍛えた獣医学系博識と魔物に好かれる体質を生かして荒事をこなしていくそれなりシヴィアな物語。作風的には『ゲート』に近い小説づくりで、12冊を一気読みした。微妙にめでたしめでたし過ぎてすこし迷いがあるのだが大負けに負けてB評価。

○2021年総括

年初の目標:

 ① 生活費270万(年金等220万、生計費50万)  ◎
 ② 書籍購入額 2400冊 40万円以内  △
 ③ WEB小説不完全リストの完成  △
 ④ 書庫 建設資金回収計画  ×
 ⑤ 健康管理計画  ×

① 生活費270万(年金等220万、生計費50万) …  ◎
 1,763,290円と、昨年の1,955,408円をさらに下回り、支出総額200万円割れを達成した。ただし、この中には、じつは年金から天引きされるようになった介護保険料と国民保険料が含まれておらず、実質的な年金収入は200万円ちょいになる。差し引きするのが面倒なので今年の目標からは年金収入200万とする。いずれは実質的にそのあたりまで引き下げられるであろうし。たぶん早くて10年先くらい。なお、昨年から長年かけてきていた個人年金が満期になり、これから毎年5年間300万円の還付があるが、もともと持っていた資産であり、それが現金として融通できるようになっただけの話。現金として持っていても出費が増えるだけであり、さっさと④書庫建設資金改修計画への追加投入に回してしまう。。
 内訳は概算で、税・保険料が天引き分を差し引いて約36万、食費・生活雑貨30万、通信・光熱水費40万、医療費10万、交通費11万、本代41万といったところ。生活備品としては2万円の小型冷蔵庫(書庫用)が加わったがこれは株主優待でまかなったもの。

② 2,400冊購入 …  △
 購入冊数3,850冊→3,499冊→2,899冊と順調に数を減らしてきているが、これはコロナ禍という状況が幸いした部分が大きい。3,000冊を割ったのは、4年ぶりである。書庫を建てて余剰収納空間を得たのが2017年なので、5年間で15,000冊増えた計算になる。いくつかの理由で、いちばん大きな理由はさすがに飽きたということなのかもしれないが、やや熱意が下がってきたところもあり、今後は概ね2,500冊くらいで推移しそうである。それでも2,000冊は越えそうなのは、コロナ禍での家内整理によるものか、供給面で全体に200円本の質の向上が見受けられるからである。
 なろう本は1,107冊。ほぼ前年並みだが、蓄積が増えた分掌握できずダブり本が増加している。間違って買ったもの、買い直したもの、これに文庫本の単行本版などを含めたダブり本は252冊で前年より少ないが、これは購入総量が減ったため。比率的には全体の1割近い。コミックは384冊。きちんんと並べようとすることで『銀魂』や『BLEACH』などの歯抜け本を補充する動きが強まった。
 書庫の一段揃えはついに破綻した。
 もともと文庫本で揃えればいいという設計思想が根本にあったので、文庫2列を並べる想定だった棚が半分近くを占めており、増大する単行本サイズのなろう系とコミックを2列における幅広の棚に移し替える作業に年末から取りかかっている。とっても大変である。作業の途中でつい読み始めるし。

③ WEB小説不完全リストの完成  … △
 今回、ま行からわ行までのリストを作成して、一応かたちは整えた。
 しかし、自分でも評価がぶれることに困っているのと、掲載後の追記がかなりの量にのぼることから、今年二巡り目の周回を行うことにした。

④ 書庫 建設資金回収計画  … ×
 相変わらず含み損は減らない。秋口までは順調に少なくなっていたのだが、そこから逆転、ほぼ前年並の結果に落ち着いた。
 下落傾向に合わせて12月に追加資金を投入したが、買った株が軒並み大幅に下がる。落ちるナイフを掴む馬鹿、を地で行っている。
 前年宣言したとおり回収計画の目標はあくまで含み益二千万円である。これに合わせて当初300万円を予定していた生活費が100万円単位で節約できれば1000万。80歳までに到達できれば資産蕩尽計画の一環としての母屋のリフォーム+第4書庫の建設となる。残り10年。

⑤ 健康管理計画  … ×
 コロナ禍での家籠り、テイクアウトで大盛無料サービスとかで、体重が増加傾向は変わらず。血糖値も高止まり。医者からはカロリーの節減を指示されているのに何故か半額で見つけた菓子類を食べる機会が増えている。スーパーは弁当類惣菜系は安くなっても保存のきく菓子類はあまり安くならないのだが、ドラッグストアが菓子類を半額にしていることに気づいてしまった。
 定期健診については、この年もパス。これで3年行っていない。いろいろ老化の症状が重なってきており、そろそろ年齢的にがん検診と脳ドックを加えた人間ドックにいかないと。引き籠り生活と、もともとインフルエンザワクチンを打ったことがないこともあり、コロナ禍についてはあまり心配していない。いや、コロナワクチンは打っていますよ。でもこれが有料になるとどうだろう?

〇2022年の目標

 ① 生活費230万(収入:年金等200万、持ち出し生計費30万)
 ② 書籍購入額 2400冊、40万円以内
 ③ WEB小説不完全リストの二巡り目
 ④ 書庫 建設資金回収計画
 ⑤ 健康管理計画

① はこの2年を含めて縮小。コロナ禍が終わって消費拡大があっても対応できる額のつもり。
② については、上限というより基準値として。
③ は今年も最優先目標。
④ 書庫 建設資金回収計画は、株の含み損を今年中にゼロにする。たぶん無理。
⑤ 健康管理

 書庫の大移動を含めようと思ったけれど、既に取りかかっていて、長くて3月までかからないと思うので、年内目標からははずした。

 そんなところで今年もよろしくお願いします。

● WEB小説作家別一覧(不完全)リスト 第8回 ま行~わ行

 さて、不完全リスト第1周最終回である。ま行、や行、らわ行及び追加分を含めたあ行からは行を含めたとりあえずの基本形である。これにレーベル別のベストや各種コンテストの結果集などを加えて完成形に持っていきたい。
 あ行から、は行までは次回再度評価をし直すので、今回評価点はすべて抹消している。
 今回作ったものが当面の全体表となる。各自この雛型をダウンロードして自分用の整理表に活用していただけたらと思う。

 リストはこちら。 (※リンク先はOne Drive(Excel Online)です)

 それではま~わまでのお勧め作を。

評価A
なし
評価B
丸山くがね 『オーバーロード』
まふまふ(谷舞司)  『陶都物語』 ※た行で紹介済
理不尽な孫の手  『無職転生』
評価C
『異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう?』
真島文吉 『棺の魔王』 (完結)
三河宗平 『マジックユーザー』
『穏やか貴族の休暇のすすめ。』
壬生一郎 『信長の庶子』 (完結)
門司柿家 『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた』 (完結)
柳内たくみ 『ゲート』 (第一部完結)
柳野かなた 『最果てのパラディン』
山下湊 『ウロボロス・レコード』
勇寛 『一般人遠方より帰る。また働かねば!』
雪野宮竜胆 『普通のリーマン、異世界渋谷でジョブチェンジ』
吉田ヱン 『世界の終りの壁際で』
渡辺恒彦 『理想のヒモ生活』
割内タリサ 『異世界迷宮の最深部を目指そう』

 その他Cにしようか少し迷ったもの。著者の他の作品が駄目だったり、途中で話がつまらなくなったり止まったものもある。
 マイクハマー『コンプ厨、ファンタジー化した現代を行く。』、柗本保羽『銀河連合日本』、松屋大好『無双航路』、三木なずな『笑顔で魔力チャージ』、三田弾正『三田一族の意地を見よ』、道草家守『ドラゴンさんは友達が欲しい!』、光喜『ゼノスフィード・オンライン』、茂木鈴『星をひとつ貰っちゃったので、なんとかやってみる』、錬金王『転生して田舎でスローライフをおくりたい』など。このうちの三木なずなと錬金王はコンスタントに安定したそれなりに楽しめる作品を量産している点で作品評価でなく作家評価として評価を上乗せしたい。森田季節も同様なのだが、作品にやや狎れが見える。三木なずなの近作も少しそうした傾向がある。

上位に評価した、作品の半分以上は初期に評判になった作品である。生硬ながら気概に満ちたところのあるこれらの作品が、先行作を雛型としてなぞることが許容されるなろうの世界で、いまだに読む価値を失っていないかどうか、読み返していないので何とも言えないが、当時読んだ際の心持ちを、今は重視しておきたい。


○WEB小説作家別一覧(不完全)リスト (※リンク先はOne Drive(Excel Online)です)

 ※ 凡例、表の説明などはこちらにあります。追加・修正についてはこちら


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