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ここでは上記に書かれていない記録を書くことになります。


千の夢

 第5短編集『豚の絶滅と復活について』は9月18日に発売開始されています。POD版も含めていつでも購入可能。Unlimitedならいつでも無料。

 10月です。昼間に夏の名残があっても、もう秋の気配が濃厚。緊急事態は明けたものの、ワクチン接種率はようやく6割に達したばかりでまだ足りない。この先8割以上(これ以下では流行は抑えられない)を目指すのなら、人口の1割強を占める中学生以下未就学児までを接種することになるため、簡単には進まないかもしれません。流行の大小はともかく、第6次はくるでしょうね。皆さまも、季節の変わり目とブレークスルーにはお気を付けください。

 さて、8月 207号に引き続き、オンラインマガジン「アニマ・ソラリス」9月 208号にインタビューが掲載されました。左掲の最新作にも触れています。

 前編はこちら、http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/210701.shtml
 後編はこちら、http://www.sf-fantasy.com/magazine/interview/210901.shtml

 同じく208号では「星群の会」も紹介されています。

 9月は、SFファン交流会の例会にお招きいただきました。もともとは東京都渋谷区の区民会館で開かれる、ミニ・コンベンション(茶話会)だったのですが、コロナ禍なのでオンライン開催です。そういえば、20年前に一度出演したこともあったような。通常なら気軽に出席できないわけですが、オンラインならどこでも出られるのが良いですね。8月は大野万紀、9月はわたし、10月は井上央と、ジジイばっかり……水鏡子はまだか。

 今回のテーマは「Sto lat!スタニスワフ・レム」と称して、スタニスワフ・レム・コレクション第U期刊行開始を記念する座談会です。出演は、翻訳者の一人芝田文乃さん、国書刊行会編集部の清水範之さんと、レムファンのわたしです。

 東欧がEUに加入する以前ではポーランドと日本の関係は薄く、言葉を学ぶこと自体が大変でした。歴代のレム翻訳者、袋一平、飯田規和、深見弾、吉上昭三、沼野充義さんらは、もともとはロシア語が専門です。芝田さんの場合は大学では語学専攻ではなく、民間学校で学んだそうです。

 芝田さん(次回配本『地球の平和』や初期作品集を担当)は、レム翻訳を目指して現地に年に1ヶ月くらいづつ滞在し本人と直接面会するなど、熱心な活動をしてきた一人でしょう。話題豊富な方で、レム生誕百周年に沸くポーランドの状況や、寡黙で気難しそうなイメージとは裏腹なレムの人柄(たいへんなお喋りらしい)のお話が興味深い。外からでは分からない、ポーランドのリアルに通じていますね。

 一方清水さんからは、なかなか締め切りを守ってもらえず原稿集めに苦労するという(第T期は完結が大幅に遅れた)、編集者あるあるのお話も。トートバッグやTシャツなどのグッズ販売は国書初の試みだそうです。

 最初の配本『インヴィンシブル』は関口時正(関口さんはポーランド文化の専門家)によるポーランド語からの翻訳ですが、技術用語が(架空の技術なりに)的確に訳されているのが印象的です。特にサイバネティクス関係は、本書の中核をなすので重要です。その辺りを書いたレビューはこちらをご覧下さい。
 『インヴィンシブル』評者のレビュー

 また、同書には詳細なレムの年譜が載っています。これまで断片的にしか紹介されてこなかった、各種エピソードがまとまって読めるのでファン必読でしょう。ただ作品の原題は省かれています。参考のため、ファン交用にわたしが制作したリストを添付しておきます。(註:年譜の一部の本には対応していません)。
 レム原著・翻訳書年譜


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