12月です。すっかり冬ですね。まだ氷点下までは下がりませんが、最低気温が5度を切る日もちらほら。
先月(11月3日)眉村卓さんが亡くなりました。はじめてお会いしたときは私が二十歳前、創作研究会の会合でよくお話しをお聞きしました。その後は、数年ごとにお会いする機会があるくらいでした。《司政官》復刊の際、2008年の京フェスでインタビューできたのは光栄に思います。深いお付き合いとはいえませんが、今回は追悼の意味を込めた創作を書いています。
今月の小説は「時の養成所」です
第51作目は「時の養成所」です。かつてSFマガジンを読み始めた中学生のころ、最初に見かけた眉村作品は連載中だった『EXPO’87』(1968)でした。ただ連載途中だったためか余り面白さが分からず、増刊号の宇宙SF特集「養成所教官」で初めて印象に残った覚えがあります(「2001年宇宙の旅」が初公開された年)。宇宙連邦の官僚養成所にやってきた地球人は、ハンデを背負いながら努力するものの最後は……というお話です(日下三蔵編の『日本SF傑作選3
眉村卓』にも収録されています)。眉村さんの父君の通夜で書かれたという作品で、どこか哀感が伝わってきます。「時の養成所」は同作品を踏襲しながら、独立した別の物語となっています。
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7月に出た『機械の精神分析医』(このたび単行本を作成しました)の次作は1月下旬に出版予定で進めています。見本刷(紙版)を読んで見たいという関係者の方がおられましたらお送りします(→twitterのDM、またはメール)。
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