当家のボンクラ息子(Copylight 堀晃さん)が大学入試なので、最近の入試事情を調べてみました。大学全入時代になり、数字の上では2007年から大学定員と入学希望者数が一致するようになったようです。とはいえ、大学の3分の1は定員割れ(この資料の後、2006年は4割が定員割れと言われている)、その分一部の大学に志願者が集中するという傾向が強まっています。大学生の減少は92年比で約30%。しかし、学生数減に対抗して(ジリ貧では人が集まらないので)学部増を図る大学が多く、新設投資の失敗から民事再生する大学まで出てきました。国公立大学でさえ、毎年10以上の学部で統廃合・新設が相次いでいます。このあたりは、読者数の減少を出版数で補うという、自転車操業状態の出版界の事情とよく似ていますね。
(東進のサイトから引用)
その一方で、理系離れが進んでいます。実は理系ではなく工学部離れが顕著なのですね。下記に統計データがあります。工学部志願者が半減する一方、他の医系・理系は大きな変化はありません。「日本はモノ造り」とエラそうに主張する人がいます。けれども、日本メーカの拠点はもはや海外が主流で、日系メーカでも外国人技術者が多数を占めるようになっています(単純に考えても、市場から遥かに遠い日本で製造するメリットはない)。将来技術者需要が減る状況を、世間が見切っているといえるかもしれません。まあしかし、戦後の日本は理系20%の時代が続いていましたが、アメリカでは10%程度、理系1割はそれほど異常な数字ではありません。昨今、理系復権を目指したイベント(子供向けの科学イベントなど)が行われています。ただ、製造業が世界に拡散していく状況を変えない限り、復活は難しいのではないでしょうか。
(河合塾のサイトから引用)
さらに変化が激しいのは授業料で、国立大学の授業料は30年間で8倍。私学はこれほど上がっていませんが、国立大学比2倍程度で推移しています。物価がここ10年下落している反面、上昇しているのはどうか。大学が法人化する過程で、費用負担が増えていく傾向も強まっています。我々が学生だった頃から見ると、ほとんどx十倍の学費というだけで頭がクラクラします。しかも、大学4年間の費用は、これに交通費や住居費を加算して凡そ800万〜1000万かかるわけで、普通に計算できる人が子供を作らないのはむしろ当然でしょう。
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