岡本家記録(Web版)(読書日記)もご参照ください。11月は
『マッカンドルー航宙記2』、『どんがらがん』、『宇宙舟歌』、『となり町戦争』、『沼のある森を抜けて』、『ブルースカイ』などを収録。一部blog化もされております(あまり意味ないけど)。
ということで、ここでは上記に書かれていない記録を書くことになります。本編は読書日記なので、それ以外の雑記関係をこちらにまわしてみることにしました。
SFベストその他の物語
11月になると、各年度(前年11月から今年の10月末)のSFベストを選ばなければいけません。という習慣はSFマガジンが例年この時期に、ベストアンケートを採るから生まれたものですね。読み逃した作品などを集中的に整理する人もいて、原稿料のもらえないアンケートだというのに大変です。その辺は、SFファンの真面目さか。評者も週間レビュー記事に書けない分も消化。まあこちらは順次詳細なレビューに反映します。
各作品の詳細は、本誌の他の執筆者や、上記評者のサイトをごらんいただくとして、今年の国産SFはプロパーよりもファンタジイ寄りのSFが優勢だったような気がします。わかり難い言い方ですね。つまり、昔のように純粋なファンタジイを無理やりSFにカウントするのではなく、明らかにSF要素を(DNAに)組み込んだファンタジイが、むしろ普通になったということでしょう(SFがレトロウィルス化した?)。
たとえば、梨木香歩『沼のある森を抜けて』では、必ずしもここまで必要ないのに科学的な説明がなされ、吉村萬壱『バースト・ゾーン』では、SF作家が書くような異種生命が丹念に描かれています。その一方、SFプロパーな人たちは、異質さのパワーでは前記ファンタジイの人たちに負けていて、既存イメージを敷衍しただけのような印象を受けました。なので、今年はファンタジイSFが本格SFを凌駕した年です。まあ、でもSFベストでは(SFマガジンなのだから)プロパー系中心で選びましたけどね。
一方、海外(翻訳)SFはシンプル。去年からの短編傑作選ブームは継続され、国書刊行会の予定作品も、もはや幻ではなくなりました。ただ、翻訳文庫はシリーズものに侵食されたためか、イーガンやマーチンくらいしか注目作がなく、来年以降が懸念される状態です。レナルズやマコーリイもやや小粒ですしね。本は分厚いけど。コアな読者向けに、ハードカバー中心の翻訳だけが出るようになると(それはそれで良いのですが)、世代的に続いてきた文庫ファンの継承が難しくなるかもしれません。まあ、SFは(金のない)コドモの読むもんじゃないのかも。再刊リバイバルは新刊が出ない分を補うためか。うーむ。
PDAその後
その昔にPDAの記事を書いて以来、性懲りもなくPDAを買いつないで、はや3年半。その間、PocketPC(実はBK1の懸賞品なのでタダ)→Linux
Zaurus(在庫整理の格安品)→企業ユーザ向けWindows CE.NET(オークションの格安品)と変遷しましたが、まあそれにしてもPDAは使えないものです。格安で小さなガジェットを見るとつい買ってしまうものの、機能が限定されるためか興味が1ヶ月続きません。評者は、結構気の長いほうだと思うんですがね。
3年前からPDAの社会情勢はますます厳しくなって、市場規模はずっと縮小しています。日本では大半のメーカが撤退、米国でもSmartPhoneという携帯電話機能内蔵型が、かろうじて生き残っているだけ。もっとも、日本でこのタイプがヒットした例はありません(マニアには受けますが、一般の人には売れない)。今度出るウィルコムのPHS端末が最後の砦でしょう。
と、いいながら最近またPDAを検討中。これは腕時計型で変り種時計を企画する、米国fossil社が販売するPalm互換機です。例によって、売れずに投売りされている機種ですけど、どうでしょうかね( 定価の3分の1まで下げて、既に米国内では販売終了)。