ヴぁりす君危機一髪

第6回
「バンバンバン、バンコでバンバン」の巻 (ver.1.00)
きくちまこと

 前回書いた通り、バンコが来阪したんである。知らない人のために書いておくと、バンコというのはイタリアの老舗プログレバンドなんである。ELPが設立したマンティコア・レーベルがPFMに続いてイタリアから連れてきて、売り出そうとしたけど、PFM程の成功にはいたらなかったバンドなんである。20年も前の話。んでも、それはバンコが悪いんぢゃなかったのだけどね。その後、別段解散するでもなく、ぼちぼちとCDを出し続けていたバンコが初来日したのが昨年のこと。残念ながら、東京公演のみだったので、見られずに涙を飲んだそのバンコが、ついに来阪したんである。心斎橋はミューズホールに集まった(わずか)約100人(か200人か)の観客を前に、バンコは驚くべき演奏を繰り広げてみせたのだった。ああ、生きててよかった。

 今回は表向きアンプラグドという触れ込みで、リズムセクション抜きのセットだったのだけど、いやあ、うまい人達はなにやったってうまい。ドラムがいない分はロドルフォおぢさんとフィリッポ兄ちゃんのギターがリズムを刻んでいたし、ベースの分はヴィットリオおぢさんの左手で完全にオッケーなんである。ライブハウスということもあって、すべての音がクリアに聴き取れる分、却ってよかったかもしんまい。特にヴィットリオおぢさんのキーボードはむちゃくちゃに上手い。たしか、バンコって昔はキーボードが二人いたはずなんだが、こんな一人で二人分弾いちゃう人がいるのに、さらにもう一人いたなんて、こいつらアホやで。

 もっとも、バンコの一番のウリは、やっぱりジャコモおぢさんのヴォーカルなんである。知らない人のために書いておくと、我が家ではジャコモおぢさんのことを”イタリアの町田義人”と呼んでいるんである。見た目じゃないよ。太ってて禿げててかっこ悪いというロックボーカリストにあるまじきルックスだからね、このおぢさん。それも、若い頃から。そうじゃなくて、声がそんな感じなの。そのジャコモおぢさんのヴォーカルが、アコースティック・ライブでは、更に更によい。ああ、生きててよかった。

 と、ここまで書いたのが3月末で、今はもう6月なんである。歳をとると時間の経つのが速くて困るね。その後のプログレ生活はといえば、キング・クリムゾン・プロジェクトなんてえものを見たのである。どういうものだったかというと、ひとことでいえば”二大変態ギタリスト夢の競演”やね。 Project Twoというセッションではロバート・フリップ尊師が、B.L.U.E.というセッションではデビッド・トーンという知ってる人には有名な変態ギタリストが、どちらもギターとは思えない音をアンピエントっぽく鳴らすという、楽しい夕べだったのだ。わしは、大笑いしながら聴いてました(立ち見だったので、全然見えない)。

 えー、来月はいよいよ、フランスの変態プログレ・ジャズ・ロック・バンド、マグマが来日するんである。あと、特筆すべきは、えー、PFMのニューアルバムが出たらしいんだが、まだ見てないな。ライブらしいんだけど。http://www.pfmpfm.itかな。来日を切に切に希望。

 それはそれとして、子供が生まれて以来、例会にもろくに行ってないし、行っても早めに切り上げるもんで、しょうもないことにASAYANを毎週見てるんである。いやあ、ASAYANってほんとにしょうもないね。それを、つい毎週見ちゃうんだから、わし、ばかなんである。鈴木あみはいいっすね。今後に期待でしょう。ただし、わしTKプロデュースはあんまり好きぢゃないんで、少々なにですが。YURIMARIもちゃんと売れば、結構いけるんじゃないかなあ。もっとも、同じ”お子様版パフィ”路線なら、パイレーツがCD出しちゃったから、ちょっと苦しいかもしれないっちゅーの。しかし、今、目が離せないのはなんといっても元WINKのサッチンの動向なんである。別にファンぢゃなかったんだが。

 ちなみに、今回のタイトルは、高見沢俊彦の手になる曲としては”木枯らしに抱かれて”に次ぐ傑作である某曲のサビの部分にインスパイアされたものなんである。誰のなんという曲かわかったかたは、ちょっと濃ゆいかもしれん(^^)。いや、今月もくだらなくてすまん。


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