みだれめも・出納記録

23年の総括と24年の目標

水鏡子


〇2023年総括

年初の目標:

①  生活費250万以上(収入:年金200万、持ち出し生計費50万)  ×
②  書籍購入額 3000冊、50万円以内
③  書庫大移動 ×
④  書庫 建設資金回収計画
⑤  健康管理計画

① 生活費250万以上(収入:年金200万、持ち出し生計費50万) ×
 22年支出総額1,865,946円→23年支出総額1,968,303円。
 コロナ禍解除による各種イベントの復活、食料品類、光熱水費等の値上げ、健康面への不安等と寿命時までの資産消尽構想からプチブル生活への移行を目指し、その初年度として250万以上300万前後の年間総支出を目標として計画したのだが、SFセミナー、SF大会、浜松探検隊、と4年ぶりの京阪神以東へのイベント参加を繰り返したにも関わらず、2023年も10万円の増にとどまり年金の枠内である200万以内に収まった。身に刻まれた貧乏性体質は生半可には拭えないようである。
 ひとつは昨年で満期を迎えた生命保険を安い認知症系医療保険に切り替えたこと。差額がそのまま各種の出費増に充てられてしまった。
 もうひとつは、計画していた一泊二日の人間ドックを、がん検診にするか脳ドックにするか古本市の開催期間に大阪で受診しようなどといろいろ検討していたのだが。悩んでいるうちめんどくさくなってやめてしまったこと。今年は少し早めに計画して実行しようと思う。
 飲食料費、光熱水費は意外なことに前年並み。交通・宿泊費と書籍代がそれぞれ10万円伸びた。書籍代は予定通り、交通宿泊費はイベント関連は仕方がないにしても回数券が廃止されICOCAに切り替わったための無駄遣いが相応にある。やはりカードになると金銭感覚が粗雑になると実感する。
 大きな出費の主なところは20年ぶりの眼鏡の新調と脱水機能が不調になった洗濯機の買い替え。まあ、合わせて10万円程度だが。

② 書籍購入額 3000冊、50万円以内 ◎
 累計購入冊数3,225冊。累計支出総額528,137 円 クーポン使用額119,620円。
 書庫の収納容量に危機感を感じ、5年前の3,850冊から2,530冊まで年々減じてきた本の購入冊数であるが、年間支出総額300万円の目標下、再びの三千冊台に頑張った(?)。
 内訳は、web小説900冊、コミック316冊ということで、web小説でもコミックでもない本を2,000冊も買っていることに正直少し驚く。それなりに買っているラノベにしてもせいぜいなろうの半分もいっていないはずだし。
 購入額の増加には、「月光仮面」や「スーパージャイアンツ」などのレトロDVDやCDの購入が寄与している。新刊書籍は10万円前後だと思うが、以前にも書いたように、全額株主優待のクオカードを使用したものなので、実質的な現金支出は40万程度である。

③ 書庫大移動 ×
 毎年1000冊規模でweb小説が増えるので、収拾がつけがたくなっている。単行本サイズは文庫本サイズの縦横厚みそれぞれが1.5倍となり、概ね3.5倍の容量となる。加えて文庫本2列置きを想定していた棚に1列でしか置けない。web小説と時代小説を6畳間の第一書庫に移したのはわずか二年前だというのに、あっという間にweb小説が溢れかえった。
 これまでキッチン脇に設置している第二書庫には、調理油が霧状に漂いくることに気づいて、購入ダブり本のみ置いていたのだが、そこを使うしかなくなった。当初は比較的数の少ない時代小説をまとめて移すつもりだったが、山田風太郎を始め、国枝史郎全集その他豪華本もあることでそれらに油がつくのもどうかとためらい、現在、20冊以上集まっているweb小説作家の本の移動を徐々に始めている。
 それでも新たに買ったweb小説を第一書庫に収納出来ず、第三書庫に600冊仮置きしている状態で、24年度中にはなんとかしようと懊悩している。
 同様の事情は、コミックについても発生しており、こちらについてはほんとうにダメなものも多々あり、書籍類と異なりジャンルすべてを視界に収める気力もないので処分という方法も、ある程度選択せざるを得ないのかもしれない。

④ 書庫 建設資金回収計画 ◎
 書庫を建てるため、持ち株を手放した後、取り返そうと欲張って逆に巨額の含み損を抱えて7年、全体的な株価上昇に乗っかって、やっと含み損が200万までに縮小した。その間、売買益が500万ほどでているので、実質的にはプラ転なのだが、あくまで含み損0がひとつの目標である。
 そこから第3書庫建設に要した資金2400万を含み益として回収できれば、母屋のリフォーム兼第4書庫なる妄想にもひとつの目途が立つというもの。
 正直、実現性に疑問があるのは自覚している。

⑤ 健康管理計画 △
 予定していた人間ドックに行かなかったことが減点の1。
 緑内障が出てきて、白内障、疲れ目の二つに加えて新たに二つの目薬が増えたこと、血糖値が下がらなくて、リベルサスという糖尿の薬が追加されたことが減点の2である。世間で痩せ薬として不正使用されていると報道されたものである。ちなみに年末のSF忘年会ではぼくを含めて3人の人間が同じ薬を処方されていた。
 現在一日あたり、錠剤8種類12錠、目薬4種10滴、坐剤1個を使用しており、まあ軽度の薬漬け状態だが、体感的には日常生活にあまり支障は感じていない。多病息災と言ったところ。

〇2024年の目標

①  生活費250万以上(収入:年金200万、株益、配当金50万) 
②  書籍購入額 3000冊、50万円
③  書庫大移動
④  書庫 建設資金回収計画
⑤  健康管理計画

 24年の目標は、23年のものをそのまま踏襲する。なかでも⑤健康管理計画については、年々重要度が増しているにもかかわらず、危機感が正直盛り上がっていない。意識改革が急務である。


○これからの日本

 この年になってわかったことがひとつある。
 国家百年の計というものはお題目としての抽象論精神論にすぎないが、国の舵を取る官僚トップ集団の暗黙裏の合意として、三十年の計と呼べるものはそれなりのリアルを持って、構築され、更新され続けているのだと。
 それはどのようなものかというと、政策の方向性を担うことが可能になった人間たちの、退職し権限を失ったあとの寿命である三十年、日本国が安寧を続け、自分及び自分たちの世代ができるだけ損をしないで済ませられるよう、諸制度等を輔弼していこうとする努力の繰り返しなのである。
 もちろん国が安寧を貪ることが目的なので、紊乱を抑え秩序の安定が重要となり、トータルでは全年齢層の安寧が要求されるが、優先順位はあくまで自分たちの現状と今後の老人生活に向けた対策である。
 結果的に若い世代にしわ寄せがいくことになるわけだが、それはいずれ彼らの世代が退職する時期にあたった官僚トップが解決する課題である。
 その中で大きな問題となっていたのは退職後の団塊の世代である。おそらくかれらが退職する10年くらい前から危機意識は共有されていたのではないか。
 当初問題となったのは財政的側面、この世代が年金、社会保険の支払い側から支給側に移行することだった。このことに起因する制度の破綻をどう抑え込むか。そうした危惧のなかで年金満額支給年の60歳から65歳への延伸、それに合わせての定年の延長、(親の介護のための)介護保険制度の創設といった措置が行われた。面白いのは、これらが団塊の世代を直撃していないこと。満額支給年の開始年齢は3年ごとに1歳ずつ伸ばしていくということで、じつはポスト団塊の世代であるぼくまでがぎりぎり60歳で年金を貰えた世代なのである。あくまで年金の問題はマクロな制度の破綻を防ぐためであり、団塊の世代のためのものではないというのが制度改正をいじくった団塊の世代のトップ官僚たちの意識だったわけである。
 これらは、ある意味、カネの問題にすぎない。今、大きく問題として浮かび上がってきたのは団塊の世代の肉体的精神的劣化の問題である。
 メディアをにぎわす認知症系交通事故。これのかなりのものが前団塊の世代である70代後半から80代の事件である。
 この年代に団塊の世代が差し掛かるのがあと5年程。
 それまでに認知症薬の開発や、交通政策の見直しを推進する。介護環境を拡充する。こうしたことにひそやかに邁進していくことが無意識の国とトップの目指すところであると思える。現在各地で見られる歩道部分の拡張など車いす移動を念頭に置いたもののように思えないか。
 一見それらは、団塊世代優遇策に見えるけれどそうではない。団塊世代の不良債権化を阻止するための方策なのだ。
 そしてたぶん各種制度改正に直面することになる団塊の世代はいろいろ苦労することになる。むしろ安心して改善された諸策の恩恵を受けることができるのはポスト団塊の世代であるぼくら以降の10年間の世代である。
 なぜ10年か。
 現在の官僚トップの年齢が団塊世代の10年後であるのだから。そして10年経てば団塊世代は半分お亡くなりになるはずだから。
 そしてその次の10年は、団塊ジュニア世代に向けた対策が中心になるに違いない。
 どちらにしても、退職後の自分を含めた老人たちが暮らしやすい世の中をきっと常に上の人たちは考えてくれるにちがいない。


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