彼方には輝く星々

第2回 ペイル・ブルー・ドット、宇宙・素粒子スプリングスクール、さなコン3参戦記

木下充矢


 最近、気になったニュース。ペイル・ブルー・ドットという、ボイジャー1号が撮影した、はるか彼方から地球を撮影した最後の画像があります。科学的な価値は少ないけれど、カール・セーガンが、地球のはかなさ、かけがえのさなを示すために有益だと強く主張して撮影した画像なのだそうです。  同じ題名の本が出ていて(邦訳『惑星へ』)  この逸話が結構好きなのですが、今年の4月11日にNASAのゴダード宇宙飛行センターの初の女性所長に就任したMakenzie Lystrup博士が、就任宣誓で聖書の代わりに、この『ペイル・ブルー・ドット』を使った のだそうです。なんだかこう、胸に迫るものがありました。このツイートに付いたコメントには批判的なものも多いようですが、ツイッタ界では通常運転。臆することなく公式で堂々と広報するNASAのスタンスを支持したい。

 時事ネタをもう一つ。「宇宙・素粒子スプリングスクール2023」という、東大宇宙線研が大学三年生向けに開いたイベントがあって、講義のスライドが公開されています。科学の情報は日進月歩で、書籍の情報は古くなりがち、最新情報は結構ネットに流れているけれど位置づけがわかりにくい。こちらは、その道のプロが、最新かつ素人でもぎりぎり判らんでもない資料を日本語で俯瞰させてくれて、非常に面白かったです。中でも、最高エネルギー宇宙線の講義が、すごくそそる。宇宙線の中には加速器で作れるものよりもかなり高エネルギーのものがあって(という話は知っていた)、なぜか特定の方向からやってくるらしい(これは知りませんでした!)。その源を「ペバトロン天体」と呼んでいて、その探索が大きな研究テーマになっているのだそうです。最高エネルギー宇宙線。ペバトロン天体。なんだかうっとりしますね。(私だけ?)

 季節のネタ三題目。今年もやってきました、第3回日本SF作家クラブの小さな小説コンテスト、略称さなコン3。分量も一万文字とほどよく、2次選考に進むとSF作家クラブ会員のコメントがもらえる(!)。このコンテストは公開型で、Pixivのシステムをそのまま使い、応募・審査中の作品を誰でも読めて、誰でも感想を付けられるのが非常に楽しい。木下は1回目から参加して、勝手に最終候補作の全作感想を書いたりしているのですが(第1回第2回)、実にバラエティ豊かで、かつハイレベル。運営メンバーのご苦労が偲ばれます。ホント、ここまで傾向が様々な作品の選考は大変だと思います……。

 木下が今回応募した作品は「天の向こう側」。今度はクラークからタイトルをいただきました。今回も、風呂敷だけは大き目。ご笑覧いただけますと幸いです。


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