2月です。立春となり冬のピークは過ぎました。しかし緊急事態も明けず、春遠からじとまでは思えない今日このごろ。
さて、先月予告しましたとおり、第4短編集『千の夢』が2月24日に発売されます。Amazonにて紙版、電子版ともに予約ができるようになっておりますので、宜しくお願いします。
解説は水鏡子! 眉村さんと比較しているのはいいのですが「展開される世界は天国と地獄くらいに隔たっている。当然眉村天国、岡本地獄である」とか「著者の性格からすれば、嬉々として地獄八景を繰り広げる」とか「なにぶん「岡本地獄」であるので」とか好き放題の書かれよう。わしは地獄くんか! とはいえ、なにぶん水鏡子であるので仕方ないでしょう。地獄を味わいたい方は、是非ともお読みください。
第4短編集『千の夢』kindle版、POD版ともに予約受付中です!! 2021年2月24日発売。POD版では試し読みをすることができます。
「研究開発だったり、テレワークだったり、セキュリティ、あるいはグローバリズムだったり、内容は多岐に渡り、作品間のつながりもない。発表時期もばらばらである。にもかかわらず異様なまでに「集」として収束し、まとまりがある。著者の「会社」に対する思いのたけが重くのしかかってくるようで、個人的には(既存の短編集)四冊の中でいちばん高く評価している」
水鏡子(本書解説より)
日本人の9割近くが(規模はさまざまですが)何らかの会社や団体に雇われているといわれています。その中では独自の法律(社内規則)と身分制(社長とか部長とかの職階)が定められていて、従わなければ追放(解雇)されます。似ているようでいて、外国かと思うほどルールは会社ごとに異なります。おかしな上司や部下との関係で、トラブルに見舞われている人も多いでしょう。本書では、そんな会社の中で起こる、少し不思議なできごとが12作の短編で描かれています。
【各作品の内容】
「千の夢」起死回生を狙う新商品ステラは、共感覚センサーによる「幸せ」を売るものだった。「呪い」画期的な発明を産むはずの研究所からは、何とも怪しいものばかりが出てくる。そこに、ありえない転機が訪れる。「瞳のなか」重大な決断を迫られるときどきに、一人の女が現われ男に核心を突くアドバイスを授ける。「遷移」ストレスに満ちたある職場で、登場人物の周囲が次々と入れ替わっていく。「同僚」地方のインフラを集約した中核市で、一人の男と同僚の女が何気ない会話をする。「シルクール」見知らぬ国の製品が主人公の前に現われる。それは次々と姿を変え、やがて世間を騒がす現実になる。「瞑想」社内SNSでの誹謗中傷を見つけたあと、主人公は法衣を着たコンサルタントのカウンセリングを受ける。「抗老夢」無駄な生を生きる意味があるのか、一人の科学者の提言はさまざまな波紋を広げていく。「見えないファイル」ジャンク屋で見つけたパソコンから、男が隠したはずの過去が湧き出してくる。「ファクトリー」謎のライバル会社の実態を探るため、現地に乗り込んだ主人公は、たらい回しにされたあげく意外な場所にたどり着く。「侵襲性」VR式のトレーニングジムに通ううちに、男は仮想コースの魅惑に取り憑かれてしまう。「陰謀論」主人公は若い管理職だったが、部下のベテラン社員から予想外の相談を受けることになる。解説(水鏡子)。
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