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ここでは上記に書かれていない記録を書くことになります。

血の味

 8月です。梅雨あけ、クマゼミ時雨、熱帯の蒸し暑さが続きます。夏はインドネシアと気温、湿度が変わらず、冬の寒さは北欧並みという、近年の過酷な季節を堪能しましょう。

 今月で創作が24作となりました。丸2年、1月1作です。そんなもの、もう読みたくないという方もおられるでしょうが、まあ、ご容赦をお願いします。2年前と今とでは、書き方も変わってきました。掲載媒体の制約もあって、本来中短篇で書くべき内容でも、長めのSSクラス25枚(7千字から1万字)前後に収めています。その分、さらりと手軽に読めますよ。今回は全24作のサーベイを掲載しておきます。

 最新作は、第24作目「円周率」です。臨床試験の被験者となった男が巻き込まれる、なんとも不可解なできごとが描かれます。

(左の写真、またはこちらをクリックすると別ウィンドウが開き本文が読めます)

第1作「流れついたガラス」(2015年9月)、大学SF研で同人誌を作る少年Tが生きた、もう一つの時間線にある1970年代。

第2作「5億年ピクニック」(同10月)、仕事に忙殺される男に、詐欺としか思えない奇妙な不動産案内の電話がかかってきます。

第3作「群衆」(同11月)、SFの歴史を調べていた主人公は、どの時代の写真にも、同じ人物が写っていることに気がつきます。

第4作「一千の夢」(同12月)、傾きかけた会社が起死回生を賭けて、畑違いの分野で新製品を発売するのですが。

第5作「ビブリオグラフィ」(2016年1月)、これは50枚の短篇。亡くなった父の遺品整理に帰省した主人公は、エンジニアだった父親が本を出していたことに気がつきます。

第6作「ソーシャル・ネットワーク」(同2月)、15枚ほどの短い作品。酔っぱらいのオッサンが、滔々と大阪弁でしゃべりまくる与太話のてんまつ。

第7作「魔天楼2.0」(同3月)、西秋生追悼作品。主人公は、音信不通だった友人から、転居通知のメールを受けとります。友人が住むのは、神戸にできた高さ2500メートルのタワービルなのでした。

第8作「マカオ」(同4月)、予算の乏しい地方都市でカジノ誘致を担当する主人公は、視察先のマカオで奇妙な提案を受けます。それは……。

第9作「ザ・ウォール」(同5月)、激しい地震に襲われたあと、日本全土は世界から隔絶されてしまいます。小松左京「アメリカの壁」の逆バージョン。

第10作「瞳の中」(同6月)、会社の中で大きなプロジェクトの責任者だった主人公は、ある案件で一人の女と出会い、託宣を受けるのですが。

第11作「猫の王」(同7月)、公園で拾った子猫を育てる若いカップルは、猫がふつうと違うことに気がつきます。

第12作「人事課長の死」(同8月)、AI時代でも、人にしかできない仕事はある。そう思って安心していた、面談解雇を得意とする課長が、逆に解雇されてしまいます。

第13作「作家を自称する」(同9月)、セルフ出版で作家を自称する主人公は、売り上げが全く伸びないことに絶望していました。そこに、あるアドバイスが授けられます。

第14作「ノンバルとの会話」(同10月)、会話相手の感情に反応してしゃべる、知能を持たないAIロボットが巻き起こす騒動。

第15作「狩り」(同11月)、主人公は小学校、中学校、高校と別々の女性に惹かれます。しかし、恐ろしい共通点が浮かび上がってきます。

第16作「チャーム」(同12月)、主人公は過去に激しいいじめを受けた時、ある能力が発現します。大人になり研究者となって、その原因を調査した結果……。

第17作「汽笛」(2017年1月)、戦争に負け20数年が過ぎても、まだ占領下にある日本で、主人公は遠くに汽笛の音を聞きます。

第18作「機械の精神分析医」(同年2月)、人工知能を搭載した航空機が墜落。手続き型のソースコードがないAIで、何が起こったのかデバッグするために、機械の精神分析医に依頼が舞い込みます。

第19作「梅田一丁目明石家書店の幽霊」(同年3月)、19枚ほどの短い作品。昔、大阪駅前に明石家書店の本店がありました。そこに出没する幽霊とは。

第20作「機械か人か」(同年4月)、「京」の後継スーパーコンピュータ「垓」で生じた不可解な事案に挑む、機械の精神分析医が見たものは。文体は谷甲州風。

第21作「匣(はこ)」(同年5月)、行方不明の老人が住んでいた住居には、えたいの知れない巨大な箱状の建造物がありました。踏み込んだ市役所職員は、地下へと続く階段を発見します。

第22作「血の味」(同年6月)、世界人口が100億を超え、食糧危機が常態化した近未来、インドの研究所で画期的な人工食糧が開発されます。

第23作「兵士」(同年7月)、地下鉄ホームに出現したテロリストは80歳の老人で、日本共和国軍兵士と自称します。

 いつもと同様、これら作品はMicrosoftのswayを用いて作られています。すべてフィクションです。特定のモデルは存在しません。


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