青心社営業日誌

第26回

 細美遙子


2017年3月

 今年の冬は例年より寒く長い・・・と思えるのは、断じて気のせいではないと思います。寒さが続くせいで、関西では梅も桃も開花が例年より遅くなっていろんな催しにがっかり感がつきまとっていますが、ついに桜の季節がやってきました。4月の第二土日あたりが暖かい陽射しを浴びながら花を愛でられる花見どきになるでしょうか。

 1月に書店まわりをやって以来、青心社の営業活動にはご無沙汰していますが、月日はあっちゅうまにめぐってまたもテレビドラマの改変期になりました。というわけで、テレビドラマ番付です。

   1. 嫌われる勇気 ☆☆☆☆
   1. 視覚探偵 日暮旅人 ☆☆☆☆
   3. 大貧乏 ☆☆☆☆
   4. カルテット ☆☆☆☆
   5. 増山超能力師事務所 ☆☆☆
   6. お母さん、娘をやめていいですか? ☆☆☆
   7. 精霊の守り人U ☆☆☆
   8. スリル! 赤の章 ☆☆☆
   9. 就活家族 ―きっとうまくいく― ☆☆☆
  10. べっぴんさん ☆☆☆
  11. 嘘の戦争 ☆☆☆
  12. 三匹のおっさん3 ☆☆☆
  13. 猫忍 ☆☆
  14. スリル! 黒の章 ☆☆
  15. ホクサイと飯さえあれば ☆☆
  16. 下剋上受験 ☆☆
17. A LIFE ―愛しい人― ☆☆
18. 相棒 ☆☆
19. 東京タラレバ娘 ☆☆
20. 科捜研の女
21. 真昼の悪魔
22. レンタルの恋
22. 真夜中の百貨店

 まあ、そんなこんなでもう春です。『三匹のおっさん』の健全な高校生、大野拓郎が『猫忍』でストイックな青年忍者をやってて、けっこうその落差にシビれました。『日暮旅人』も松坂桃李萌えで同率一位。大河ドラマ『おんな城主直虎』も鶴の高橋一生、亀の三浦春馬と目の保養になってました(過去形です、春馬クンが死んだから)が、ワタシ的には筋肉質美坊主の市原隼人に目が釘づけです。
 『真夜中の百貨店』がついに終わってしまいました。後半はドラマ部分に妙に力がはいってて、この先どこに行くのかと興味をそそられていましたが、とりあえず終わってしまったようです。緑チェックの大百貨店の売上的にはどうだったんでしょう。

 今年は1月半ばから諸般の不都合により、自業自得とはいえ仕事上の地獄の苦しみをずうーーっと味わっているんですが、3月には前もってはいっていた予定の消化でけっこう遊んでしまいました。以下のとおりです。

3/4(土)
京都観世会館能楽堂で杉浦定期能を鑑賞。「楊貴妃」「藤戸」「吉野天人」
3/13(日)
神戸市新開地の神戸アートビレッジセンターで「現場メシ」トークショーに行く。
 映画の撮影ロケに同行し、ロケ中ずっとスタッフの食事をつくっている撮影現場特化ケータリング業の小水とうた氏のトークを聞き、彼がつくる現場メシを食べさせてもらうという昨年に続く催し第二弾。昨年はカレーだったそうですが、今年は鶏飯(けいはん)。ボリュームもたっぷりでおかわり自由と言われてもおかわりできなかったほどですが、しっかりとおいしいのにくどくなくさらさらと口にはいり、しかも食べているうちに身体の内側からぽかぽかしてくるという魔法のようなごはんでした。これは映画撮影のスタッフと出演者しか食べられないごはんをワタシたち一般人も味わえるという出色の企画ですが、お話のほうも過去の映画のモンゴルや屋久島での長期ロケの苦労話や、これから公開される予定の映画ロケでの裏話など非常におもしろく、ワタシのような映画にはほぼ興味のない人間でも楽しめました。映画「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」に出てくるビーフシチューは、脚本を読んで感動した小水氏がぜひぼくにつくらせてほしいと言ってつくり、福士そうたクンの演技でない「うまっ!」を引き出したものだそうです。
3/18(土)
神戸市灘区民ホールにて、藤田佳代現代舞踊研究所の公演を鑑賞。
 子どもともども長年お世話になっていたモダンバレエの先生がたの公演です。東日本大震災をテーマの核にした作品が多いです。
3/19(日)
「現場メシ」に行った神戸アートビレッジセンターのKAVCホールで劇団エクステの第3回公演「夕ばえ作戦」を鑑賞。
 うちの娘の友だちが出ていて、去年の「人魚伝説」をいっしょに見に行きました。今年は光瀬龍だ!というので娘はもはやいませんが単独で見にいきました。封切りの17日は光瀬先生の誕生日だったそうです。原作同様、話のすじが非常にわかりやすく、演劇らしさが満喫できて楽しい時間がすごせました。演出・大塚雅史。古道具屋の店内のアンティーク品が全部人間だったのがとても印象に残りました。
3/20(月・祝)
神戸市文化ホール(中)で能楽鑑賞。「経正」「玄象」
3/22(水)
お多福山のネザサ刈り。年に5回ということで数年前から参加していますが、だんだん回数が増えて今年は年に7回の予定。毎回、おうちの近くまで車の送迎つきですが、手違いで帰りの車に忘れられ、山のなか(正確には芦有道路)でほぼ三十年ぶりにヒッチハイクをするという羽目に。3台目でベンツの紳士に拾っていただき、どうにか事無きを得ましたが、どっと疲れが・・・
3/25(土)
神戸市魚崎の運河沿いにある建設局東水環境センター主催の「アーモンド並木と春の音楽会」に行ってみました。今年は梅も桃も開花が遅れていますが、この主役のアーモンドも開花が遅れ、まだ二分咲き程度でしたが、はじめて見るアーモンドの花は桜よりも大ぶりで輪郭がくっきりして、印象的でした。この日はピカピカの上天気でしたが、吹奏楽やバトントワリングやバグパイプなどのステージ演奏に混じってハワイアン・フラやサンバの人たちが熱帯の衣裳のまま出ているのが、ひとごとながらつらそうでした。神戸といえばサンバですが、サンバの衣裳をはじめて間近で見ましたが、ホントに素肌にTバックなのね。ステージのトリのサンバチームは小中学生メインのチームでしたが、衣裳は本格的で、こんなにバシャバシャ写真を撮らせていいのかと、やはりひとごとながらちょっと不安に思いました。
3/26(日)
大阪、中ノ島の国立国際美術館「クラーナハ」展に行きました。チケットはすでに買ってあったので、終わる前に行かなきゃ・・・Eテレの「日曜美術館」やワイドショーの特集で予習もバッチリ。集英社のコミック雑誌「YOU」で連載してる萩尾望都の「王妃マルゴ」の時代ということもあり、ルターの肖像画にも感銘を受けました。展示もクラーナハに影響を受けた日本人画家たちの作品も出すという多角的なもので、たっぷり楽しめました。
 このあと、久しぶりに梅田・茶屋町でTHATTAの月例会に行き、水鏡子の新築書庫ができあがったことと、これから本のお引っ越しという話を聞きました。引っ越し業者さんがかわいそうで、ひとごとながら泣けてきます(笑)。誰の話を聞いても、本の恐ろしさを知らない引っ越し業者ばかりというのは、世の中、本を大量に持つ人間なんてほとんどいないのねという事実が示唆されてるんでしょうね。

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