みだれめも・出納記録
水鏡子
2015年2度目の出納記録は1月から3月。
●1月末で近所のブックオフが閉店しました。
去年の本の雑誌でも書いたように、26万都市の表玄関から本屋が2軒、そしてこのブックオフと、出版物末端機構が一掃されたことになります。駅前のデパート内6階と、少し離れた複合マーケットの2階にまだ店が残っているとはいうものの、通勤通学帰りの人間がふらっと立ち寄るには敷居の高い立地です。ここ数年に広げると、同じく駅前にあった古書店が1軒消滅。ぼくの自転車行動範囲にあった別のブックオフ1軒が閉店と、出版流通状況はどんどん悪化しています。
大状況への慨嘆は別にして、この直近地区での閉店セールというのはぼくにとっても初体験。これまでも京阪神の閉店セールになんども参加したとはいえ、段階的安売りセールに毎回参加するというのは初めてである。なかなか楽しかったので詳しく紹介することにする。
1月7日〜12日 | 108円以外の本全品半額 |
1月13日〜18日 | 108円以外の単行本300円、雑誌文庫新書児童書150円 |
1月19日〜21日 | 全品80円均一 |
1月22日〜24日 | 全品50円均一 |
1月25日〜27日 | 全品30円均一 |
1月28日・29日 | 全品20円均一 |
1月30日・31日 | 全品10円均一 |
もともと100円本しか買わない人間にとって、半額セールは基本的に対象外。ただ拾う本をチェックするために覗きにいくが、人ごみに驚く。2割くらいの若者がスマホ片手にバーコードをチェックしているのはまあ近隣から大挙して押し寄せてくるのだから仕方がないにしても、一般客が大量に押し寄せているのが以外。半額セールなんて閉店でなくてもしょっちゅうやっているだろうに。
13日。朝一番に、店の前に行くと行列ができている。すごいなあ。
とりあえず150円なら買ってもいいかと前々日に目をつけていたほるぷ出版のオズボーン・コレクションのところにいくと、ほとんどが半額時点で買い上げられていて、1冊しか残っていない。とりあえずその『ニュー・ピクチャー・ブック』、貞本義則『DER MOND』、A・K・デュードニー『眠れぬ夜のグーゴル』、ミステリ・マガジン9冊などを購入。計22冊。
19日。80円均一は収穫わずか。もともと108円コーナーはこまめに回っているから20円引きであえて買うようなものは特にないし、割高本の方も文庫は概ね150円で拾っている。一応15冊拾ったが、めぼしいのは小野不由美『残穢』とダール『すばらしい父さん狐』くらい。あとラノベで陰陽師をやっている猫又話、竹林七草『猫にはなれないご職業@A』というのが読んでみると意外に拾いものだった。続きを探したがこの2冊しか書いていない。
22日。50円均一。そろそろ本格的に買いまくる。あいかわらず客が多い。スマホ組はあいかわらずだが、家族連れや小学生グループが増えてきた。少女漫画コーナーで子供が抜いてきた本にお母さんがマニアックな評価を加えていたりしてそれなりに楽しい。倉庫に寝かしていた本を取り出してきたらしく、値札が108円でなく105円の本がちらほら。蔵出し本のなかで大量のグイン・サーガとペリーローダンが目につく。うーん。10円日までどちらかが残っていたら検討しよう。C・S・ルイス『愛とアレゴリー』があった。42冊購入。
25日。30円均一。ルルルやビーズログなど女性向け文庫にとりかかる。何を買って(持って)いるかどんどんわからなくなる。すでにダブリ本は10冊以上。20円10円に向けて書架にある本を少しきちんと確認しないと。47冊購入。
28日。20円均一。新しい本が増えてるわけでなし。2日後には10円になるわけだし。16冊購入。
30日。いよいよ10円である。ペリーローダンもグインサーガも残っていた。さすがに両方手を出す元気はないので、グインサーガ82冊を選ぶ。最初の20冊は愛蔵版を拾っているので、あわせて100冊ほど。つまり、残り全部を100円で買ったとしても、6万円の将来出費が発生したことになるわけだ。購入冊数195冊。もうなにを買ったか記憶することすらできない。
ここ以外でも本は買っているので、1月の購入冊数は396冊。購入金額は概ね33,000円。
『ドリフトグラス』、『SF雑誌の歴史 A』、『VN』など新刊9冊で金額の半分を占めている。
さて、この反動も入っているのだろう。3年近く三桁を続けてきた購入冊数。2月74冊3月89冊と2カ月続いて三桁を切った。
●ブックオフ戦記第2部は、云わずと知れた収納問題。書庫を作る前に活用していた50個ほどのプラスティックのコミックボックスに現場復帰をお願いする。ひとつの箱にライトノベルで40冊くらい収納可能。もともと100個くらいあったのだが、もういらないと考えて人にあげたりしたので半分くらいになっている。既にトイレに積み上げていたものに西尾維新を納めていたが、あれはあくまでトイレ読書のためのもの。今回はあくまで収納目的。とりあえずたくさん持ってる作家の本で、読んでいて、かつ一箱以上の容量になるものを抜き出すことにする。ということで、選んだのが、十文字青、成田良悟、上遠野耕平、鎌池和馬、結城光流、渡瀬草一郎など10人。あと、グインサーガはもちろんはなから箱詰め直行。
詰め込みながらふと考えるに、つまりは読んで面白かった値打ちを認めた本ほど箱に詰められて、読んでる本や買った量が少なくて、評価の低い本ばかり、立派な書架に並んでいくことになる。いいんだろうか。なんか間違っている気がする。
400冊くらい抜いたことになるのだが、書架の余白があっという間に消えていく。数年先はともかくとして早急に善後策を整える必要がある。そろそろダメな本に引導を渡すことを考えなければならないのかも。
○1―3月の支出額
1月 290,311円 前年比49,533円増
2月 179,749円 前年比31,493円減
3月 170,334円 前年比91,032円増
今年は新年会が増えた。遅れていた所属会費の納金などもあって、1月の交際費は支出の半分を占める。新年会が1泊2日のものを含めて5つ。
3月の出費増は働き始めたため、昨年あった所得税の還付金がなくなったことが一番の理由。
ただ、仕事に行くようになって出費が増えたことも事実。身の回り品などを少し揃える必要も生じているし、飲食料費も月当たり1万円平均増えている。収入が入ってくることで少し贅沢に流れているようだ。ただし買うものの単価は上がらず量が増えるというのが貧乏人のぷち贅沢の特徴で、血糖値の再びの上昇というところに結果は現れてきている。
○3月は神戸大SF研の追い出しコンパ。エロゲーをやりこんでいる若い衆と話していて、『大悪司』を知らなかったのにショックを受ける。負いコン後の徹カラでは、『十二国記』がわからないのにショックを受ける。
○そのエロゲーでは『ヴィーナスブラッド』というゲーム・シリーズが面白かった。触手系ということで避けてきたのだが、やり込み要素満載のしっかりしたシナリオのシミュレーションゲーム。『HYPNO』、『GAIA』とふたつこなしたがどちらも繰り返し遊べた。シナリオでは『GAIA』、ゲーム面では『HYPNO』がいい。
○株は今年も負けが込む。去年の二の舞を覚悟していたが、任天堂とDENAの業務提携で一息。大負けだけは免れている。
○テレビ・バラエティでは「マツコ×マツコ」が衝撃。マツコ・デラックスとアンドロイド・マツコのかけあいで、最初に画面にアンドロイド・マツコが写っているのを見たときは、ロボットの動きを真似たマツコ・デラックスだと思っていた。世の中どんどんSFになっていく。