岡本家記録(Web版)(読書日記)もご参照ください。一部blog化もされております(あまり意味ないけど)。


 ということで、ここでは上記に書かれていない記録を書くことになります。本編は読書日記なので、
それ以外の雑記関係をこちらにまわしてみることにしました。

 退職してから1か月、といっても完全リタイアではないので、そこそこ仕事はしております。

 フィルム・スキャナを買いました。何をするものかというと、ネガ/ポジ・フィルムをデジタル化する装置です。スライド(ポジ)の写真が少なからずあるのに、スライド・プロジェクタ(いわゆる幻灯機です。もう生産はありません)がないからですね。紙焼きのないネガフィルムも多数あります。フイルムスキャナ機能は、かつて単体スキャナが全盛だった時代には、オプションで付いていました。残念ながらスキャナは業務用を除いて絶滅(プリンタ複合機のコピー機能としては存続)、フィルムをスキャンできる機種は、ほとんど見かけなくなりました。他の選択肢として、有料のスキャンサービス(フィルム1巻単位で課金)とか、市販の低価格機種はあります。後者は実はデジカメの変形で、フィルムをカメラ撮影するという原理で作られています。こういう商売が成り立つのは、まだまだ死蔵されたフィルムが大量にあるからです。

 もともと、フィルム・スキャナはラインセンサを使用します。CCD素子を直線(ライン)状に並べた露光センサです。カメラ用には、素子が平面状に並ぶエリアセンサが使われています。例えば、1メガピクセルの絵を作るのに、エリアセンサなら1000×1000画素の素子面積が必要ですが、ラインセンサは1000×1で良い。あとはメカ的にセンサを動かせば、いくらでも長細い絵ができるからです。低価格で高解像度が得られるため、ラインセンサは、主にファックスや工業用検査装置に用いられてきました。しかし、画像取り込みに時間がかかる、メカ部分でコストアップする等のため、安い市販フィルムスキャナでは使われません。そもそも、今現在ならCMOSエリアセンサが、スマホ用途で劇的に安くなっています。

 デジタルカメラに対するフィルムの解像度については、原初のデジカメ時代より諸説あって良く分かりませんが、ヘボなアマチュア撮影でも、スキャンしてみるとデジカメ1000万画素程度までは取れるように思います。当家の場合、デジカメが100万画素を超えた2000年時分から、アナログカメラを使わなくなりました(初のデジカメであるカシオのQV-10が出たのは1995年)。ネガフィルムが残っているのは、主にそれ以前です。

 今回は29年前(1986年)のネガをスキャンしてみました。この記事では、サービス版の紙焼き写真を単品スキャナで取り込んでいましたが、それよりもやや良い絵になります(フィルム自身の保存状態はあまり良くない)。この頃、1980年代は紙焼き価格が劇的に下がった時代です。現像から紙焼きまで自動処理する設備が普及したからです。大昔のフィルムは町の写真屋が自分で現像し、1枚づつ紙に焼いていました。しかし、それではコストも時間もかかります。そこで、専門のサービス工場(ラボ)で、現像から紙へのプリントまで一括で行う自動機が現れました(この装置は、今では医療用のX線フィルム現像機に応用されています)。しかし、フィルムの現像までは自動でも差異は出ませんが、問題は最終焼き付けの画質です。大衆一般に受けるように、焼き付ける彩度とコントラストを一律に強調し、細部の潰れた荒い写真が多くなったのです(何しろ自動機なので、写真に何が写っているかまでは判断できない)。でも、論文でフォトレタッチはいけませんが、個人の写真なら、一枚づつ自分の記憶に合わせて色合わせしたいでしょう。当時でも手焼きを頼めば、お金次第で可能でしたが。

 コスプレイヤー1986 トーレン・スミス(故人) ハリー・ハリスン(故人)
左)1986年のコスプレイヤー   中)トーレン・スミス日本デビュー(故人)   右)ハリー・ハリスン(故人)

 写真左は、写っている人が現在の熟年世代となるコスプレ(何のコスプレでしょう?)。中央は初来日してまだ20代のトーレン・スミスです。昨年亡くなりました。アメリカSFの殿堂入り作家ハリー・ハリスンは、2012年に亡くなっています。
 注:写真はWeb用に再サンプリング(縮小)されたものです。原画のスキャン解像度は800〜1000万画素相当。

 この機種もプロ用ではないので欠点はあります。フィルムはダイナミックレンジが広く、例えば夕方の明るい空と暗い地上、逆光写真(輝度のピークが大きく分かれる)でも、白飛や黒潰れせず両方が写ります(カメラの性能にも依存)。スキャナではこれが再現できず、明るい方か暗い方のどちらかしか生かせません。

 最後に、古代の集合写真2題(1983年、1985年)、特に解説はしません。

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