みだれめも・出納日記 13年8月

水鏡子


 先月の出納日記で籐真千歳氏の名前を籐間千歳とくりかえし誤記入。籐の字に気を取られたのと藤間紫という名前が頭の片隅にあったことが理由といえば理由のようだけど、5冊も読み続けたうえでの失敗なので論外。ごめんなさい。(編注:修正しました)

 もひとつ別のごめんなさい。今月はほとんど本を読んでいません。来客等で家の掃除でばたばたしたりしたこと、そのあと一気にだれたりしたのも小さな理由だったりしますが、最大の理由が『女神転生IV』160時間。面白いかというと、物語的にはむかしとそんなに変わりばえしない。投げ出すようなダメソフトではないだけに、分岐もあるし、やりだすとラストまで辿りついて2週目をこなさないと落ち着かないのでだらだら単調に時間を潰しています。

〇7月の結果
支出計:323,103円。前年7月442,394円。119,291円減。
入手書籍:123冊 23,133円。累計1,638冊。前年累計1,156冊

 例年この月の支出が大きいのは生命保険が社会人時代の契約で夏のボーナス時期に25万円の一括払いをするかたちになっているため。その支払いを差し引くと今年はSF大会参加とか、食あたりの救急受診、モニター購入、飲み会あっての7万円。住民税の還付とパチのプラスで合わせて9万円が還ってきたこと、本代ひさびさの2万円台が大きい。

7月29日(月)〜8月30日(土)
【トピック】

 7月第5週・8月第1週。週末にゲーム会、翌週が法事と室内に人を招き入れるとあって4カ月ぶりの大掃除。食事は食べないと死ぬし、洗濯はしないと着るものがなくなるが、掃除は埃に負けない体質を作ればそれなりに頑張れる。炎天下でこれまでほったらかしてきた部屋の冬仕様を夏仕様へと模様替え。ずっと敷きっぱなしだった絨毯に、こたつ布団、電気マットをやっとのことで片付ける。切羽詰まるまで動き出さない不精っぷりにますます磨きがかかった感がある。不便は不便だったんだよ。いくら電気が切ってあっても、電気マットのけばけばは、クーラーを入れても真夏の盛りに寝ころぶには暑すぎる。マットを片付け、畳に寝ころぶ快感に、8月は睡眠時間と合わせると、平均18時間横になる生活で、立ちあがろうとすると足腰がよろばう。健康面ではかえってマイナスかも。(いやいや)。運動といっても出かける先は、外食・パチ・古本・スーパーの4択。無目的の散歩というのが出来ない性格である。

 金土日がゲーム会で潰れるので、8月1日の木曜日にさんちかの古本市に。昔に比べると安くなっているのだけれど、こちらの基準価格がとんでもなく下がってしまっているのであいかわらず買える本が少ない。残り7冊になってしまった「少年小説体系」の未所持本『別巻1 少年漫画集』が2,000円であったのでやむなく買う。あと眞殿皎『鬼道』という知らない作家の古代史系妖異小説集を700円で拾う。昭和29年に刊行された新潮賞受賞作品なのだが、なぜか出版元はみすず書房。
 ブックオフの三宮サンプラザ店に行くと、8月25日で閉店とのこと。半額セールをやっている。ルルル文庫など20冊買う。

 ゲーム会は2泊3日の予定が、花火大会見物などを挟んで3泊4日に伸びる。佐脇・菊池母子、荒川ジュニアのレギュラー組に、細美の知り合いの樽井氏、森川氏、それに純平親子などが日帰りで参加。森川氏は遠路はるばるきたというのに、花火見物と重なって、一度だけカタンをして帰る。申し訳なし。
 カタンは木材と煉瓦をほぼ切り捨てた戦略が功を奏して2度に1度はトップをとる。
 解散後、家には細美が持ってきた(ゲーム会で開封予定だった)賞味・消費期限切れの菓子類とヨーグルト類が大量に残る。菓子類の中には6月3日期限のものまである。捨てることのできない性格なので、昼飯にカステラ1本かじるといった不健全な食生活を続ける。血糖値の上昇を不安する。

8月第2週。
 近所で、新築の際、うちと同じ仕様の平行移動書庫を作った渡辺広蔵兄(同志社SF研OB)が書棚の追加注文をするというので、余分に買っていた書棚を譲ることになった。
 渡し過ぎるとあとで困るので、酷暑の中、書庫の組み替えにとりかかる。
 フィクション書庫に置いてあった、神話伝説中世文学等の古典本類を、民俗学や宗教学関連のノンフィクション棚に移し、空いたところに棚を増やして、風太郎と日本SFの専用文庫棚にした。
 こういうとかっこいいけど、じつのところ増殖するライトノベルのため、日本の小説文庫棚から追い出されたと言った方が正しい。作家で分けるので、区分けはそこそこ悩ましい。
 それよりおもしろかったのは、当初民俗学や宗教学本は人類学と並べて置いていたのが、神話、伝説、それにアラビアンナイトや中世騎士物語とかをくっつけると、人類学本は浮いてしまう。むしろ中世以前の史学本あたりのほうが相性がいい。人類学本は社会学本とくっつけたほうがよさげな感じ。幻想小説のリファレンス本もこっちに置いた方がよさそうなものもあり、現在時点のノンフィクション書庫は配列不備でかなり宙ぶらりんになっている。

 火曜日が法事。土曜日は、渡辺兄が余っている書棚を取りに来る。13段渡したのだが24段増やすつもりなのだという。あの家の書庫はうちの2つを合わせたよりも大きい。
 来客が一段落。一気にだれる。メガテン三昧。

 日曜日。ブックオフサンプラザ店は7割引きの閉店セール。拾える本が一桁で悲しい。そのあと、高槻市の古本屋を回る。
 阪急高槻駅周辺には、ブックオフと古本市場があるのだが、駅から南北それぞれに2kmくらい離れている。この2店を買った本を抱えて汗を流して歩くのはけっこうきつかった。とくに、あとで回った古本市場で拾いたい本が何もなかったことで疲れが倍加した。やっぱり総体としてみると古本市場はブックオフより本に対する扱いにぞんざいな感じがある。春先から県内10数か所廻ったけれど、これはと思った店は数軒しかなかった。
 例会は、数年ぶりの佐脇師匠、菊池先生と、里帰り中の藤元君がくる。堺三保は水当たりでダウンとのこと。藤元君から200円で入手したという風太郎の単行本を頂く。

8月第3週
 月曜日。パソコンが壊れる。春ごろからときどき強制終了を起こして、やばいなあと思っていたのが、前の晩から症状がひどくなり、朝方ついに起動画面のままフリーズした。パソコンは歴代6つあるけど、ネットにつながっているのもエクセル・データが入っているのもこのパソコンだけ。やむなく修理業者を呼ぶ。例会でも話題に出して熱暴走だろうかと相談したら、機械に強い堺三保や荒川ジュニアにいまどきのパソコンは熱暴走などしないと否定されたのだが、やっぱり熱暴走だった。3年間の稼働期間に吸い込んだほこりがファンの効果を完全に無効にしていたとのこと。出張料を含めて31,500円也。先月壊れたディスプレイと合わせて5万円を超す出費。

 地元の古本市場に行く。翻訳文庫本の200円コーナーが無くなって全部105円になっている。しかも『彷徨える艦隊(8)・外伝(1)』『巨獣目覚める上下』などがある。十数冊を買い込むがそのうち5冊『魔導士の魂(1)〜(5)』が全部重なる。この巻は持ってないと思ったのだが。実質200円也。あわてて、もうひとつの古本市場に足を伸ばすが、そちらはちゃんと200円の棚があった。そういえば前の店は「値下げしました」という張り紙をしていなかった。会社の翻訳文庫本の基準はあくまで200円で、それでは売れないと200円コーナーを撤去して全冊105円にしたということらしい。ただし後から行った店はライトノベル3冊105円の期間限定セールをやっており12冊買い込む。

 土曜日は昼1時から晩の10時まで、かなり遠くのブックオフ、パチ、外食(レストランさと)、スーパータイムセールと外出4択全て選択、距離20km9時間の運動をする。

 日曜例会前の古本屋行脚は三宮閉店セールのロードス書房とブックオフサンプラザ店、古本市場西宮店。例会は大野万紀がくる。

8月第4週
 金曜日。旧職場同期の集まり。大卒組は今年ですべて定年を迎える。旧交を温める。

 日曜日。いつもどおり古本屋を廻って例会に行こうと1時過ぎにJRに乗る。こちらはそこそこ雨が降った程度だったが大阪近辺は集中豪雨で大変だったらしい。ニュースを見なかったので知らずに乗ったら大変なことになった。朝方、梅地下は水浸しになり。JRの線路は芦屋付近で浸水し、やっと昼前に復旧したとのこと。新快速は全休、乗った各駅停車は先行列車が数珠つなぎ状態で、駅に着くたび、5分以上止まるうえ、西明石までの折り返し運転。西明石駅で20分待たされた上り車両は、豪雨被害も概ね復旧し、新快速もまもなく運行を開始しますとの放送があったにもかかわらず須磨で長時間停車。今度は住吉駅界隈でボヤ騒ぎがあったとのこと。ようやく例会に辿りついたときもは6時半を過ぎていた。例会参加者も青木社長のみ。株話をする。

8月第5週
 水曜日。歯科定期健診。前歯に虫歯ができているとのこと。お中元整理で60本近い缶ジュースを飲み、暑気払いにアイスキャンデーを箱単位で食べ、賞味期限切れ菓子類を一気食いしたせいだろうか。

 金曜日。関西大SF研OB及び青心社関係者との飲み会。ほとんどが還暦。

【読んだ本】4冊(内、漫0冊) 累計334冊(内、漫166冊)

 大森・日下編『原色の想像力 1・2』
 北方謙三『岳飛伝 6』
 前田珠子『鬱金の暁闇17』

 あまりになさけないので、書評する元気もありません。前田珠子以外は3つともお勧めです。驚くべきことに今月はコミックも1冊も買っていない。ということで立ち読み以外の漫画読書は数年ぶりに0になりました。

 メガテンをやりながら焦燥感が増してます。9月は翻訳本を頑張ります。

【買った本・拾った本】主な本20点内

 『カメラが撮らえた明治大正昭和 皇族と華族』『カゲロウデイズ (1)』『福岡ハカセの本棚』 頂き本(角川株主優待本) 
 クリストファー・プリースト『夢幻諸島から』頂き本(古澤嘉通様 多謝)
 ラヴィ・ティドハー『革命の倫敦』頂き本(小川隆様 多謝)
 マーセデス・ラッキー&ラリー・ディクスン『黒き鷲獅子 上下』頂き本(細美瑤子様 多謝)
 山田風太郎『くノ一忍法勝負』(ハードカバー) 頂き本(藤元直樹様 多謝)
 チャイナ・ミエヴィル『アンランダン 上』90円
 国書刊行会『ドイツ民衆本の世界 I II IV』各767円
 尾崎秀樹『現代漫画の原点』262円
 安岡章太郎『僕の昭和史(1)(3)』各52円
 縄田一男『時代小説の読みどころ 増補版』200円
 篠田浩一郎『幻想の類型学』262円
 朝日常識講座『3 支那の現状』、『8 文藝の話』(昭和3年)各77円
 井村君江(天野嘉孝画)『ケルト・ファンタジイ』367円
 阿閉吉男定年退官記念論集『近代社会学の諸相』262円
 瀬川昌男『火星への道』105円
 ダーリン・スカーレラ『二千年めのプロポーズ』(シルエット)52円
 フィリップ・K・ディック『市に虎声あらん』2520円 ※今月買った最高値

【株式成績・等】8月31日まで

 今月は大失敗をする。ゼンショー系列でサンデーサンという会社がある。ジョリーパスタというパスタ屋の経営会社で、ゼンショー系列というのはこの会社の株主優待券(半期1万円)がすき屋その他ゼンショー系の店舗ならどこでも使えるということである。本家ゼンショー、ココス、それにこのサンデーサンと合わせて3万4千円の優待券を半年ごとに受け取っていたのだが、6月に少し株価が上がったところで一度手放す。もちろん値が落ちたところで買い戻すつもりだった。ところが売り払った直後に、配当0だった会社が復配を発表。株価はどんどん上がっていく。8月に入って会社名をサンデーサンからジョリーパスタに変更し上昇率はさらにあがり、650円で手放した株が900円をうかがう値で高止まりする。とても買い戻しのできる値段でなくなった。
 それはまあいい。想定外の復配によるものだから。ただ毎回もらっていた優待券がもらえなくなることに焦っていたのですね。9月末の権利発生が近づいていて周りが見えなくなっていて、本家ゼンショー株を4000株買い増してしまう。5000株になると12000円の優待券が30000円に格上げされるのだ。
 問題は、買い増ししたのが中間決算の直前だったこと。決算発表があることを完全に見落としていた。今年のすき屋は吉野家の値下げ攻勢で消耗戦を強いられて減益決算がでるのが火をみるよりも明らかだったのにそのことをすっかり忘れていた。案の定、株価は100円近く下落する。
 いや、株の上げ下げは時の運の要素もあるので仕方がない部分もあるが、今回のマイナスは目配りをちゃんとしてれば防げた部分であるだけにショックが大きい。周りが見えなくなるというのはこういうことだと反省する。
 持ち株全体の動向は、アメリカのシリア侵攻不安などで下落。含み損400万円を越える。
 なお、パチの方は絶好調。先月SF大会広島での時間潰しで入った店で「我狼伝」での大勝ちはじめ、7月8月2カ月で、「エヴァ」「BTX」「クロユリ団地」「呪怨」などで9勝3敗。現在時点で年間通算成績プラス。


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