みだれめも・出納日記 第9回 (11年12月)
水鏡子
12月1日
11月の生活支出:111,511円。
節約月間、結果わずかに10万円を超えた。マルぱを自粛し、週に5日弱家にこもっていた結果である。電気ガス水道通信通話新聞生命保険料の引落しが4万円強。
ただ、こういう生活がかならずしも健康的とは思えない。12月は忘年会がいくつかあることでもあり、少し破目を外す予定である。マルぱもほどほどに復活する。
11月の購入書籍:193冊 30,858円。年間累計1,764冊である。
うーむ。
本末転倒みたいな気がしないでもないが、というか、あきらかに本末転倒なのだが、ここまでくるとなんとか2,000の大台を目指したくなる。236冊というのは、さすがに過去にない数字だが達成不可能な数字でもない。書きながら馬鹿さ加減に自分でも頭が痛くなるのだが、とりあえず12月の生活目標は年間累計2000冊達成ということにする。
12月第1週(11月最終週)
SFベストの投票が終わったので、ラノベ読みに戻る。瀬尾つかさ、清家未森、花房牧生、水城正太郎など。
9月権利の株主優待券がぽつぽつ届き始める。
付録のエヴァTシャツに惹かれて『ヤングエース1月号』を買う。
12月第2週
ラノベ読み。瀬尾つかさ、清家未森、小野上明夜など。次のみだれめもは久しぶりに読んだラノベのランキング表をつけよう。
古本屋に3日通って70冊購入する。購入量は前述の事情もかかわっているけど、小野上明夜の『死神姫の再婚』が面白かったので続きを手に入れようというのがむしろ主な原動力。その他では瀬尾つかさ4冊なども半額本で購入する。
大森望『21世紀SF1000』を読む。読んでるはずの前半を読んだ記憶が甦らないのにすこしめげる。
週末は神大SF研の忘年会。米村秀雄が来ると思っていたのに欠席。これで一年くらい会っていない。後輩でぼくのエロゲーの師匠であるY氏から「まどか☆マギカ」と「シュタインゲート」のディスクをもらう。「神採りアルケミマイスター」を勧められる。もともと買うつもりはある作品なのだが、中古価が下がらないのだ。地酒屋で2次会のあと、徹夜カラオケ。アニソンしばりなのに、10曲中2曲くらいしかわからない。『大帝国』の主題歌が歌えることがわかったので持ち歌化を努力することにする。
太陽光発電の業者が勧誘にくる。説明が正しければ、損がほとんどない。売電量が20,000円相当になり、月々15,000円程度の償還で片付くという。ちょっと心が動き、来週詳細見積もりをすることを承諾する。忘年会、例会で何人かに相談する。例外なくやめたほうがいいと言われる。
例会で青木さんに紙袋いっぱいのフィギュアを手渡す。
ここ何年も、イエローサブマリンでフィギュアの福袋を買い込んでいる。400円くらいのものを年に十数袋。値段が安いのと、買ったフィギュアから嗜好を邪推される心配がないのが魅力。その中からとくに興味度の低いものを選んで年末の忘年会の景品用に放出したもの。あと2袋くらい準備を予定している。
しかしこうやって選別を繰り返していると結果的に嗜好が特定されることになるような気がしないでもない。
12月第3週
太陽光発電について、ネットで調べる。設置工事費込みで200万円程度が相場のようだ。うちに話に来た業者の言った値段は若干割高。パネルは設置するだけなので傷みは少ないが周辺機器の稼働部分が10年くらいでやばくなるらしい。とくにパワーコンディショナーという30万円規模の機器が問題だという。年10万円程度の電気代を節約するための投資としてはリスクが大きそうである。
業者に詳細見積もりを断る電話を入れる。断りの理由として、シャープの技術屋をしている知人に聞いたら(聞いてないけど)、供給過多と技術革新で値崩れが激しくて、3〜5年で設備費が半値くらいまで落ちる可能性がある、最低でも3年待てと言われたと言う。そうですかとあっさり引き下がる。まるっきり食い下がられなかったところをみるとそれほどまとをはずしていないようだ。
火・水と近隣の郊外型古本屋5件を巡回する。67冊購入。西尾維新『刀語』4冊、瀬尾つかさをいくつか。内科歯科マルぱも少々。負ける。
寒風の中、薄着で20キロほど走りまわり、空気の濁ったところに3時間ほど。軽い頭痛と弱い咳。風邪かそれともインフルエンザ? 有効期限切れの風邪薬を飲む。
咳は治まるが、のど痛と微熱続く。金曜日に遠出をして古本市に行く予定だったが、中止する。
瀬尾つかさをいくつか、小野上明夜『死神姫の再婚』、『バッカーノ1711』を読む。
「まどか☆マギカ」を通し見る。相当に面白い。大森望が『円環少女』との類似性を指摘していたが、アイデア面ではもっとシンプル。魔女との戦闘シーンは映像的にすばらしい。『化物語』なんかと同様最近のアニメは映像がすごいなあ。しばらくぶりにいろいろ見ると、アニメの進化に感心する。
日曜日に地区の大掃除で公民館の草刈り。去年と同じ作業なのにむちゃくちゃ疲れる。パソコン、テレビ、ゲーム主体の生活でいかに体がなまっているかを痛感する。そういえば、ここ何年も風邪らしい風にかかった記憶がなかった。これもそのせいか。
12月第4週
風邪がぶりかえす。週末に2泊3日のクリスマス・ゲーム会を予定しているのだが、体調の悪さと家の中の寒さで体が動かない、こたつから首だけ出して終日アニメをつけたまままうとうとしながら本を読む日が続く。パソコンにすら向かわない。立っている時間、座っている時間を合せても1日3時間程度。寝たきり状態である。瀬尾つかさの手持ちを読み終える。
金土日とゲーム会。体調はなんとか復調。
同日合流前の午前中に神戸の古書市に行ったりして、この週も25冊購入。林トモアキが少し揃ってきたので読むことにする。
掃除ができていないので、菊池、細美両名に掃除をしてもらう。部屋の中がとても寒いので、防寒用具を作動させるとブレーカーが飛ぶ。家でブレーカーが飛んだのは初めてみたいな気がする。掃除、炊事その他についてたくさんの衛生技術指導をうける。食べ物汚れをつきにくくすると書かれている洗剤を食器洗い用だと思っていたら、洗濯洗剤だと指摘を受ける。
前回のゲームは圧勝に次ぐ圧勝だったが、今回は今一つ勝ち目が薄い。ちゃんと事前の掃除をしなかったから、神様が降りてこないのだといわれる。
クリスマスケーキと2日目の晩飯を買うために2時間近く細美と市内を自転車で走り回る。細美が自転車に乗るのは何十年ぶりとのこと。
最終日の夜は、焼き肉屋に行って、すき焼き食べ放題。解散後、古本屋に足を運んで11冊。これで合計1935冊。残るは65冊。
12月第5週
家から15qほどはなれたところにある行ったことのないブックオフの地図を打ち出すが、とても寒いのでコタツから出られない。残された日数はあと7日。目標達成はできるのか。「銀魂」「化物語」総集編などをだらだら見る。『ミスマルカ物語』面白い。シリアスとユーモアのバランス感覚とそれらを溶かしこんだ文体の確立など『円環少女』との共通性を感じる。これがスニーカーのレーベル文化であるのなら、シフトしてみるのもいいかもしれない。
京大SF研から、京フェス長谷敏司インタビュー掲載のワークブックが届く。55000字。長谷氏がなんでもかんでも喋っているので、長谷ファン必読。ネットで『円環少女』の感想などを拾っていくと、その作風やくせのある文体と相俟って、三原順に似た信奉層を形成しそうな気配がある。インタビュー中のぼくの発言で、「エロゲーに三、四千円払えない」という表現に「ゲームの定価は概ね八千円前後」という注釈がつく。推察のとおり、アリスソフトの大作以外、ぼくのゲームの購入は、すべて中古品である。
29日30日は毎年恒例の青心社中心の京都忘年会。もう、目標達成はこの機会を利用するしかない。ということで、往路は神戸、京都で古書店めぐり、復路は大阪で、日本橋で「神採りアルケミマイスター」を購入した後、難波、心斎橋のブックオフを歴訪する。購入冊数49冊。とっても重たい。帰って並べてみるとパラノーマル・ロマンス本を中心にダブリ本が6冊もあって、少しショック。
忘年会では、青木、冬樹玲、ZOM氏らと独身者の台所談義。あとは、年相応に年金や退職金の話と原発の話など。堺三保が必死でパソコンをにらみつけている。体調を崩して仕事が大幅に遅れたとのこと。誰とも口をきかず、宴会もそこそこに離脱する。例年深夜はカラオケに行って、長浜ラーメンを食って早朝宿屋に帰還するのだが、今年は古本行脚で京都に早入りし、ついでにラーメンも食ってしまったので行くのを中止する。
忘年会から帰ってくると、神戸大SF研OBのM氏からメール。OB新年会のため米村秀雄に連絡を入れると、「この電話は使われていません」状態とのこと。慌てて電話をするが、たしかにつながらない。番号案内に実家と思しき登録をみつけてその後毎日電話をするが、何度かけても、通話中もしくは断線状態。本人もしくは関係者からの情報を乞う。
大晦日。残16冊を消化するため、近隣のブックオフへ。15冊購入。そのあと紀伊国屋に行って、『ミスマルカ』未所持本3冊を購入。合計2002冊。目標達成。『ミスマルカ』を読みながら、年を越す。