岡本家記録とは別の話(教育問題篇)

 岡本家記録(Web版)(読書日記)もご参照ください。1月は『メシアの処方箋』、『太陽の塔』、『不思議のひと触れ』、『象の棲む街』、『ショートショートで日本語を遊ぼう』、『楽園の知恵』などを収録。

 ということで、ここでは上記に書かれていない記録を書くことになります。本編は読書日記なので、それ以外の雑記関係をこちらにまわしてみることにしました。

教育問題

 皆様、あけましておめでとうございます。

 というか、もう2月ですけども、旧正月明けですので。菊池鈴々副編集長復帰記念で教育問題などを少々。鈴々さんの“副編集長”というのは地位、役割記述ではなく固有名詞ですね。昔は、オーナー編集長の下でTHATTA編集を一手に引き受け、まあ事実上の編集長(第1期:1989年3月から91年6月、第2期:93年10月から96年4月、という古の昔)だった功績をたたえて、今は編集など何もしていなくとも終身副編集長という名誉ある称号を賜っておるわけです。

 金原瑞人ここに写真も)の娘さんが芥川賞をとったことでも分かるように、子供の教育は重要な問題であります。オタク系マニアの方の場合、教育問題にはお悩みのことも多いと存じます。大量の「や」さん系本を抱えておられる副編集長の立場(今月の副編集長日記参照)を考えますと、助言の一つも差し上げなくてはと、老婆心ながら思量いたす今日この頃でございます。

 さて、当家の場合、そもそも子供をSFファンにしようなどと大それたことは考えておりません。皆がSFファンになって、金のかかるSF大会に一家総出で出かけるなど言語道断お金の無駄です( あー藤田さんを非難しているわけではありませんよ、いやまったく)。本を読むなら勝手に読みなさい。別に読まなくてもいいから。読んだら本が傷むし、順番もぐしゃぐしゃになる。

 マンガは副編集長宅のようないかがわしい教育上支障がある本はないから安心です。手塚全集を順番に読めばよろしい。あー、『動物のお医者さん』とか『アタゴオル』は動物が出てくるので子供には受けるようです。うーん次はバレエに興味があるとかで、有吉京子『Swan』、槇村さとる山岸涼子『アラベスク』、『メタモルフォシス伝』、次は『スピンクス』、『メデュウサ』、『天人唐草』あれ、ちょっと問題か。大島弓子『綿の国星』クラシックですね。坂田靖子川原泉くらいなら問題ないでしょう。三原順、あるからしょうがない『はみだっし子』ね。萩尾望都全集に、竹宮恵子全集、高橋留美子、当家はクラシックが中心ですね。 『クレヨンしんちゃん』はもうとっくに飽きて、藤子不二雄も全集ですがまあいいか。優良マンガの『どらえもん』はないし。ゆうきまさみ諸星大二郎吾妻ひでお、『不条理日記』、『スクラップ学園』、『みだれモコ』・・・あー問題ですね、でもまあ読んでも訳分からんようだし。

 うーん字も読みたいか。だったら、冒険ものぐらいがいいだろうね。ティモシー・ザーンとかはどうだ。買ってるけど家にはスペースオペラ読みがいないので、かねがねもったいないと思ってた。お前選任で読みなさい。いちいち選ぶのがめんどくさいから、この列ね。谷甲州が並んでるでしょ。<航宙宇宙軍>に<覇者の戦塵>、えーもう全部読んだか、だったらこの列の分厚いの読みなさい、ダン・シモンズ<ハイペリオン>とか、コニー・ウィリス。何、最後が訳分からんて、『航路』か、まー、ああいう終わり方なのよ。これも長いぞ<知性化戦争>、まだまだ読める。次は『クリプトノミコン』もある。

 お前はマンガを描くのね。手塚治虫の入門書って、これ30年くらい前のだけどね。烏口なんて使う人いないんじゃない。ロットリングの古いのとかあるけど。お母さんのアニメの原稿用紙を使いなさい。「きゃらびい」って何よ。うーむアニメイトは、もはや全国展開してるわけね。道具は後から。スクリーントーンを使いまくるのはやめなさい。お母さんから「中学生からスクリーントーン使うと足腰が弱る」って言われてるでしょ。だいたい風景のスクリーントーンまであるのはけしからん。この隠れて読んでるのは『テニスの王子様』ね、恥ずかしいのなら買うのやめなさい。アニメは『鋼の錬金術師』ね、メジャーばっかりはやめなさい。『シャーマンキング』って何。

 ・・・という厳しい教育方針で進めております。ご参考になったでしょうか。その結果、うちの子供が芥川賞をとることはないので安心です(たぶん)。

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