新・気分はリングサイド (第4回)

青井 美香


11月22日(土)後楽園ホール

 ひさしぶりに全日本プロレスを観戦。いつ以来かというと、ちょっと思い出せないけど、神保町の地下鉄出口から上がって角をまがったら、いきなりAMPMとローソンがオープンしていたので、ずいぶん来てなかったなぁと思った次第。ここから水道橋まで歩いていく途中のお店も栄枯盛衰がはげしいです>最近。
 めずらしく開場前にたどりついたので、山下書店でちょっと時間つぶし。入り口近くの棚はモーニング娘系列のムックやらカレンダーが山盛り。東京ドームでハロプロ大運動会のあった日なのでもありました。
 試合開始前、カメラマンの数がやけに多い。なにか仕掛けがあるのかと勘ぐったら、ミツ平井のテンカウントでした。
 力道山の愛弟子で、テネシーの小悪魔といわれたミツ平井のファイトは、わたしは観たことがないけど、日本よりも海外で有名なレスラーだったらしい。全日本プロレス所属の息子、平井伸和選手が遺影を持ち、全員起立して、テンカウント。
 ロード・ウォーリアーズのホークみたいに現役で亡くなるよりも、実の息子もプロレスラーで、その手に遺影を抱かれて悼まれるほうが、父親としてはよかったかな。そう感想をいったら、相方がひとこと。「その実の息子がいつまでも中堅どころをうろうろしているのが問題だ」

第1試合
○ 石狩太一対×TAKAみちのくの道場出身の若手レスラー(初めてのレスラーで、名前よく聞きとれず(^^;))
 ほんとは、グランは浜田が出るはずだったのだが、右半月板損傷のためということで、カード変更。第1試合らしい、フレッシュな試合。石狩も、同年代、同キャリアの若手との試合ということで、浜田とは違った意味で勉強になったかも。

第2試合
○ ミツ・ヒライ・ジュニア&奥村茂雄対×Hi69&土方隆司
 おお、平井、いつのまにか親父さんの名前を襲名?(ちょっと違うか)……きょうは、リングインのときに、遺品とおぼしきガウンも着用。ゴールドベージュの色がちょっと色あせているみたいだけど、クリーニングされていたのか、きれいなもんです。さすがに気合がのっているのか、きちんとHi69(ヒロキ)をしとめていきました。奥村との仲の悪さは、ほんとなのかアングルなのかは、よくわからない。

入場式

 最強タッグリーグ戦の入場式。自分の名前の入ったたすきをかけて、選手がリングに入場し、PWA会長(昔はロード・ブレアーズだった)のスタン・ハンセン(ずいぶん体重落ちたなぁ)が挨拶を読み上げるだけなんだけど、年末の風物詩というか、ああ、今年ももうあとがないなぁという思いになるのは、毎年、このシーンを観つづけていたからでしょうか。退場のとき、ギガンテス、TAKAみちのくなどが小島、カズ・ハヤシに殴りかかるのは、ま、お約束。

第3試合
×ヤス・ウラノ&ケンドー・カシン対パルカ・ゲレーラ&ラ・パルカ・オリジナル(どっちがフォールしたか、思い出せず(^^;))
 入場式のときから目立っていた、メキシコから来たというふれこみの、全身マスクに骸骨が描かれたタッグチーム。一人が真っ赤、もう一人が真っ白のソンブレロをふりまわして入場。相方はいたくその派手派手ソンブレロに気を惹かれたよう。あれって、お土産として買ってきて、帰ってきてから後悔するパターンの代物だと、わたしは思うのだけど(^^;)。
 試合のほうは、そこそこ。ただこのタッグチーム、どちらもマスクにはちょっと不慣れみたい。ほんとにメヒコかどうかもあやしいかも。

休憩

第4試合
×河野真幸&宮本和志&本間朋晃&淵正信
 対ジャスティン・クレディブル&ジャマール&ブキャナン&ギガンテス(これも、みんなに河野がやられていた印象で、誰がフォールしたかおぼえてない(^^;))
 外人軍団大暴れ。河野は宮本におぶわれて退場となりました。さすがにメジャーのWWEにいたレスラーは身体能力が高い。

第5試合
○ カズ・ハヤシ&小島聡対×TAKAみちのく&ディー・ロウ・ブラウン
 もともとはみちのくプロレスにいたカズとTAKA。どちらもアメリカのメジャーを経験し、流れ流れて、全日本プロレスのリングにたどりついた。この二人のいい意味での意地のはりあいが試合を面白くする。ジュニアとヘビーの組み合わせも、試合に緩急がついて、観ているほうはじつにわくわくどきどき。

第6試合
嵐&武藤敬司対荒谷望誉&川田利明(時間切れ引き分け)
 セミにくらべると、いまひとつテンションが下がった印象なのは、減量して見違えるばかりにシェイプアップした荒谷が、身体は変わっても、気の弱さ、プロレスセンスのなさが相変わらずだったから。試合中盤、武藤がアクシデントで肩を負傷した(素人目から見て、脱臼したっぽい)のに、荒谷は「あれ、どうしよう」という呆然とした表情でエプロンにいるんだもん。もうダメかというまで川田に攻められながら、なんとか時間切れ引き分けにもっていった武藤の不死鳥のようながんばりだけが、目立った試合でした。


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