岡本家記録とは別の話(日記篇)

 岡本家記録(Web版)(読書日記)もご参照ください。

 ということで、ここでは上記に書かれていない記録を書くことになります。本編は読書日記なので、それ以外の雑記関係をこちらにまわしてみることにしました。

○月×日

 Windows XPを導入する。このOSについては、今さら、あえて書くこともなかろう。産業界ではパソコン販売の救世主といわれ、事実、発売直後には売れ行きにちょっとは貢献した。GUIリソース(資源)を浪費する3Dメニューの是非についても、あえて書くまでもない。ちなみに、ノートPCで使うのならば、 3D能力が向上する思われる次世代機種の方が向いている。

 さて、このOSは安定している。どのぐらい安定しているかというと、たとえば不安定なプログラムがあって、ハングアップしたとする。今までのWindows 98/Meならば、OSを道連れにしてブルーバックで落ちてしまう。ところがXPは落ちないのである。しかし、困ったことになる。プログラムをキル(ハングしたプログラムを殺すこと)しても、直後に蘇るのか、それとも死なないのか、ハングアップしたまま生き残るやつがいる。こいつめこいつめこいつめ、とキルしても死なない。ダイハードというかゾンビですね。しかもですね、不安定状態をMicrosoftにメールしますか、というメッセージが毎回出てくる。OKすると、現在のシステムの状況がMicrosoftに送られるのだが、これは次回のBug fixの参考にされるだけで、別にサポートが今すぐ助けてくれるわけではないのである。何度も何度も何度も何度もメールを送るだけなのである。

○月△日

 サウンドカードのノイズがひどくなってきたので、新しいカードと交換する。なんというか、サウンドカードも業界が再編され、バリエーションが減ってしまった。メジャー系はCreativeのカード 。あいにくと当家のPCはCreativeと相性が悪い。VIAチップセットのAthronマザー(しかも、Abit)なので、不安定になるリスクを考えると、大枚をはたく気がしない。ということで、夏ごろ話題になったPhilipsのアコースティック・エッジを買う。サンダーバード・アベンジャーという、なんだか アナクロな戦闘機のようなSoundプロセッサ(Philips North America開発)を搭載している。Audigyなんてピンとこない名前よりはいい。このチップはすでに第2世代版がリリースされているが、日本でそのカードは未発売。買ったものは旧チップの最高級品PSC706で、5割安いホワイトボックス版。

 パソコンの場合困るのはノイズである。まず、ギガ(10億ヘルツ)なんていう超高周波で動いているCPU、万回転のファンやらハードディスク、各種ケーブルはノイズを媒介するアンテナである。こんな中で音がマトモに鳴っているだけでも奇跡的。アナログ信号(音はアナログ)をデジタル信号から隔離するという、マニアックな 設計技術が必要になる。これはビデオカードでも同じ。安物のサウンドカードでいい音が出るわけがない。

 このカードだと、何とかラジカセ程度の音にはなる。ネット配信されるラジオやビデオ、PC再生のDVDの音がその程度になるのだから立派といえる。 聞こえなかった音も、耳を澄ませば聞こえる。刻々と変わるネットワークの伝送速度の変動は、古いラジオのアナログな音の揺れと、どこか似ている。はるかヨーロッパから届くFMネットラジオの音は、まるで短波放送のように聞こえる。

○月□日

 ホームページ作成ソフトをバージョンアップする。この分野では、ソフトの種類は限定されている。プロフェッショナルな匂いのするDreamweaverか、GoLive、初心者向けといわれながら侮れないHomepage Builder 。Macな人の場合は、今では前者しか選択肢がない。誰が何を使っているかは、HPのソースを見れば、ヘッダに書いてある。たとえば、THATTA本体はHomepage Builder。ただし、Generatorタグを消しているものや、古くからのページには、そもそもそんなものもない、ということで不明。

 筆者の場合は、Frontpage。Officeツールとの親和性がよいので、企業向け(IntraNet向け)とされていて、個人ユーザが使っている例は少ない。かのPC業界評論家でSFも書く、ジェリー・パーネル先生が使用していることで知られる中級者向けツール。シンプルながら無駄がない。Dreamweaverのように、無数のウィンドウが立ち上がって画面を埋め尽くし、編集ページはどこってうろたえることもない。パーネル先生は2002をあまり薦めておられないようなので、それなら、と2002にバージョンアップする。ふーむ。何にも変わらないように見えますね。速度はちょっと上がったか。昔と違って、最近のホームページツールは、HTML直接編集機能も充実していて、勝手に書き換えられることはないので安心。ただし、こいつは背景画像を自動生成して独自ディレクトリに入れるのだが、バージョンが変わるとその場所を勝手に変えてしまう。見知らぬディレクトリが増える 。

○月☆日

 最近は、HPでも無数の「動くもの」が搭載されている。これらは動画であったり、アニメーションや検索スクリプトであったりする。案の定、ウィルスもこれらに対応して進化していく。HPを見るだけで、読み手のパソコンを汚染してしまう。今のところ、これらウィルスのすることは愉快犯の範疇を出ない。そのうち、何か目的を持って動くウィルスも現れる。実のところ、問題なのは同じセキュリティホールを持ったPCが、常時接続で続々とつながり始めている点にある。マニアなら誰でも知っているバグでも、普通の人は誰も知らないし、対策もとらない。昔と同じセキュリティホールを使って、もっと破壊的な一斉動作が起こる可能性が高い。

 たとえば、今のウィルスはすぐに派手に動いて正体をばらしてしまうが、長期にわたりスリープ状態で存在するレトロ・ウィルス。レトロだが、自動的に自分の情報を書き換え、ワクチンソフトを欺瞞する進化型ウィルス(というのは、すでに実在する)。これはOSをバージョンアップでもしない限り、宿主に寄生し、小出しに内部情報を漏洩する。あるいは単に覗き見する。宿主が何らかのデータダウンロードをするときに情報を送る(通常、ダウンロードといっても、相手と送受のやり取りをしながら受けるので、一方的なデータ受信ばかりではない)。宿主のメールを勝手に書き換える。A宛のメールを勝手にB宛にも送る。内容を読んで、意味を逆にする。あるいは、宿主のPCのIdle時間を使う、SETI Home型ウィルス。常時接続なので、夜中に勝手に計算してデータを送る。あるいは、汚染PC 同士で勝手に交信しあう。チャットを書き換えるウィルス、夜中に勝手にチャットを始めるウィルス。掲示板に勝手に投稿するウィルス。音声情報で、Netmeetingを書き換える、Windows Updateを書き換える、画像を書き換える、ニュースを書き換える。そして、何が本当だか分からなくなる。

 ということで、来年は自分のPCが、自分
探しをする年になる。


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