岡本家記録(Web版)(読書日記)もご参照ください。
ということで、ここでは上記に書かれていない記録を書くことになります。本編は読書日記なので、それ以外の雑記関係をこちらにまわしてみることにしました。扉開けネコシリーズは、今回も撮影に成功せずお休み。
Nimda編
読者諸兄の皆様のところにも着ましたか、Nimda。
まーなんというか、Yasshiさんも掲示版で書いていましたが、今回のCodeRedからNimdaに至るウィルス騒動は、これまでとは明らかに様相が違いました。通常ならば、これらの騒ぎはファイアーウォール外の出来事で、大手の会社の中に紛れ込むことはめったにありません。というのも、基幹メールサーバー自体がウィルスチェックを厳密にかけているので、流出/流入が防がれているからです。実行ファイルを添付しても(ウィルスじゃないのに)、勝手に無効化されてしまって、困ることもありますがね。
今回のウィルスの場合、単にメールの添付ファイルに化けているのではなく、ワームでもある点が最大の特徴でしょう。分かりやすく書くと、
(1)最初はメールに添付されて到着
(2)メールソフトのセキュリティ脆弱性をついて感染
(3)汚染PCのアドレス帳に書かれた宛て先に、自分自身をコピーして送る
(4)同時に、ネットワーク上のIISサーバ、共有フォルダを探す
(5)上記のセキュリティ脆弱性を突いて蔓延
(6)後は(3)〜(5)を繰り返す
Nimdaは、隣の部署の、ファイルサーバがやられたり、すぐ隣にあるパソコンで見つかったりと、至るところに偏在していました(これをユビキタス=『ユービック』的蔓延という)。もしこれの破壊力が強ければ、『アンドロメダ病原体』的、『復活の日』的ウィルスですね。ネットワーク上にある共有フォルダを勝手に探したり、IISサーバにコピーを生成していくので、ほっといても蔓延してしまいます。そもそもウィルスチェックソフトの最新情報よりも、広がるスピードの方が早かったのです。ウィルスソフトだけでは、何れにしても防げなかったわけですね。
もともとIISやOutlookのようなWindows系アプリを使う人は、“手軽”なので使っています。後になってから、細細としたメンテナンス(セキュリティホール塞ぎのアップデート)を要求されても、できるわけがありません。そもそも、通知自体、Microsoftサイトの片隅に告知されるのみです。たとえば、大半のウィルス検知ソフトは、半年から1年でデータのアップデート期間が切れてしまい、お金を払わないと最新ウィルス検査をしなくなりますが、そのことを知らない(忘れる)人も多いはず。アップデートを促す警告の意味も考えないのが普通でしょう。とはいえ、Linuxにもセキュリティホールはあります。WindowsがLinuxに変わったところで、原因が解決されるわけではありません。要は、均一であることが大流行の原因なのです。学校給食で集団食中毒が目立つのも、同じ材料が使われるから。Windows系のサーバが感染に弱いのは、単に“同じだった”からにすぎません。Linuxの場合、さまざまな亜種があって、一定のルーチンですべてのサーバを汚染できないため、爆発的な蔓延はないわけです。
当家でも、生意気にIISサーバが稼動していますし(といってもIntra専用)、共有フォルダは多数、Internet Explorer (5.5) に至っては3つが動いていますから、9月18日に始まったNimdaの流行に汚染される危険はありました。LinuxはGateway用だけです。これはファイアウォールですが、メールやWebのブロックはできません。今回のウィルスは「(汚染されたIISを使っている)Webページを見ただけ」、Outlookで「(添付を開かなくても)メールを受信しただけ」で感染するのです。IISはCodeRed騒ぎ(7月)のときにパッチ済み、それ以外をversionupする騒ぎに。まーメインのメールソフトはOutlookではなく、Postpetなので安心ですがね(注:Postpetといえども、添付ファイルを開いてしまえば感染します)。
宇宙の戦士編テロから2週間、アメリカでは勇ましい開戦宣言が行われて、仇討ちの日は間近なようです。しかし、このシーン、どこかで見たことがある、と思って考えると、アレですねバーホーベン監督の『スターシップ・トゥルーパーズ(宇宙の戦士)』にそっくりなのです。
兵役を終えたものにしか市民権が与えられない、未来の地球連邦。アナクロな新兵訓練で仲間を死なせてしまった主人公が、兵士を辞めようとしていると、宇宙の昆虫型エイリアンから地球に小惑星が投下され、主人公の両親もろとも都市一つが全滅。奇襲攻撃に怒った地球大統領は復讐を誓って、特攻艦隊を非人間=エイリアンの住む本拠惑星に派遣する。しかし激しい反撃を受けて死屍累々の中で、主人公たちの戦いは一進一退、延々と続くことが暗示されて終わる…という、表面の好戦的シチュエーションとは裏腹の、皮肉に出来上がった作品です。
まあ、これを見ても、今の状況を見ても、砂漠生まれのイスラム、ユダヤ、キリスト教が似通った宗教であることが分かります。ともに、目には目を、死には死を、で成り立っており、またそうでなくては収まらない宗派なのでしょう。あのカダフィ大佐が、「アメリカは復讐する権利がある」といったそうで、それぐらい砂漠系宗派にとって、当然の結論です。逆に、復讐で被害を受けるタリバンは、その復讐に対する復讐ができるわけです。テロリストは人間ではない(エイリアンである)=テロリストを保護する国も人間の国ではない。アメリカは悪魔の国である=人間の国ではない。双方とも相手は非人間なので、戦いに妥協はありません。際限のない戦いの結果、双方が疲弊するまで、戦いは継続されるでしょう。そんな余裕のある経済状況ではないはずですが。
『スターシップ・トゥルーパーズ(宇宙の戦士)』映画の紹介サイト