二重時間者

四郷威智


1999年11〜12月

モノマガジン11/2岡田斗司夫新オタク日記9/16-9/30
モノマガジン12/16岡田斗司夫おたくの歩き方第39回北九州スペースワールド編
モノマガジン12/16岡田斗司夫新オタク日記11/1-11/15
本の雑誌12喜多哲士SF旅物語のきわめつけはこれだ 
小説新潮12菊地秀行魔剣士−妖太閤篇第十一回
小説新潮12宮部みゆき心眼22
本の雑誌12鏡明連続的SF話18570年目のターザン
太陽12荒俣宏ザラ紙の楽園アメリカ大衆マガジン再発見11偏見と差別のアート
12荒俣宏和洋折衷のフルコース・ディナー[宇月原晴明との対談]
本の雑誌12高橋良平若者の出会いと成長の旅 
本の雑誌12山岸真SF新世紀SFファンのツボをつきまくる期待の新鋭登場
小説新潮12酒見賢一陋巷に在り106 
11瀬名秀明教育から脳科学へ、軽やかな足取りで吉成真由美『やわらかな脳のつくり方』評
文芸星倉憂愁Book Review大塚銀悦『濁世』
現代12清水義範「教育実習」だけで先生になっていいのか「遠く学校から離れて」24
太陽12川上弘美キノコ狩センセイの鞄6
12川上弘美かすかな間『BH85』評
本の雑誌12大森望新刊めったくたガイド日本SF新時代を告げる超どきゅうの大傑作が出たあ!
現代12中島梓そばとの格闘座談会
モノマガジン12/16唐沢俊一人生訓屋トンデモノ探索ノート27
小説新潮12筒井康隆天狗の落し文 
本の雑誌12北原尚彦神田番外地読み物としても楽しめる文庫目録『春陽文庫の作家たち』
中央公論12夢枕獏シナン6 




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 この間手に入れた本、予定通り京都SFフェスティバルに持って行ったところ、オークションをやるというので、即売ではなくそちらでの販売をお願いした。ダサコンとかだと、結構値が上がってしまうので、ちょっと嫌かなと思っていたが、やっぱり、関西はしっかりしとるわ。定価がいくらだったかメモしてないけど、大体定価にちょっと色がついたか、定価以下で落ちているような気がするので良かった、良かった。結果は以下の通り。「エンパイア・スター」650円。「アプターの宝石」500円。「ロード・マークス」800円。「ウルフヘッド」350円。「兵士は立てり」300円。まあ、順当な値段な気がする。古本屋の場合、商売なんだから仕方ないんだろうけど、売る気があるのなら、あんましふざけた値段はつけんほうが、いいんちゃいますかねえ。
 まあ、古本屋が、とても非現実的な値を付けているおかげで、お得な買物をしたような気になれる訳ではあるが。
 (いや、まあ赤字にならなくて良かった。)
 この間、ワセミスOBのS見君にあったら、「老人力」のようにネガティヴな現象をポジティヴに評価するコンセプトとして「納得力」というのを提唱していた。これさえあれば、どんなにヘナチョコなミステリーだって楽しく読めるということらしい。
 ところで、基本的にSFな人は元々「納得力」の低い人間のような気がする。「突然、犬猫がしゃべるのは納得がいかん。」「意味もなく変身するなっ。」と、いった理由で子供の頃、ファンタジーを忌避していたんだよなあ、俺。だから犬がしゃべるのに、喉の構造がどうの、大脳の構造がどうのという手続きをおさえた、アンノウンな(アンノウン・タイプの、の意。アンノウンが何か知らんやつは自分で調べる事)ファンタジーしか受付けんかったのよ。
 で、犬がしゃべることで社会的にどういう影響が派生するか、そこからこーゆーことや、あーゆーことが起こってくるというを描くのがSF、というかSFの面白いところで、そうか、その前提からこんなことまで出て来るか。というワンダーがSFの醍醐味だと思う。
 そんな訳で、今年、訳が出たグレッグ・イーガンの二長篇はとってもよかったので、同じようなところにSFファンとしてのツボをおされるという人は、今後もイーガンがどんどん訳されるように、ぜひ買って読みましょう。
 で、話は映画「マトリックス」だ。えらく評判が良かった気がするが、つい最近見たところ、疑問がボコボコを泡をたてて次々と浮かんできて止まらん。「ううむ、納得がいかん。」
 作劇上の制約というものがあるんだろうが、なんか言い訳がないと納得はできん。なぜ、エージェントは三体しか走らせられんのか。追跡用のプログラムなら同時にいっぱい走らしゃよかろうに。
 と、三日悩んだあげく、エージェントも肉体があってネットにつながっている存在で、多少優先順位の高いユーザーとして登録されているので、他のユーザーの出来ない処理が実行できるという設定があるに違いない、そうに決めたっ。ということでやっと納得することが出来た。はあはあ。
 あと、AIが悪意で人間を飼育しているにしては手間をかけすぎで、効率悪すぎ。サイバー・スペース上のイメージと現実の肉体像が同一ということは、サイバー・スペース上での出来ごとにあわせて、卵子と精子をとってきて受精させていることになる訳で、なんでまたそこまで面倒臭いことをしますか。
 エネルギー源として使うためにじゃんじゃか増やすためには、ホモレズは当然禁止で、生まれる子供は双子、三つ子があたりまえ。処女懐胎も日常茶飯事。のはずだが。
 となると、あの世界はやはり核戦争か環境破壊で生存不可能になった地球を浄化中で、人類はカプセルに待避してサイバー・スペースに待機している状態なのであろう。
 人為的なミスか、悪意を持ったオペレーターの手で、その地球再生プログラムがうまく動かなくなっているということにすれば、なんとかなるかなあ。
 って、なんでこんなに頭を使わなならんのか。いやなんとか納得した例をあげてみましたが、解決できない問題はまだまだあるわけです。
 でも、堺さんに、この話をしたら。「考え過ぎ」と言われてしまった。俺って、堺三保さんより心の狭いSFファンなのかっ。とほほほ。
 SFは「不思議なもの」を考えつきゃいいという訳ではなくて、どうやって「不思議なもの」を成立させられるかということと、「不思議なもの」がある結果、世界にどういう影響があるか、ってことを考えんといかん。そういうことに頭を使うべきな訳だと思うんだけど、割と感性だけで「不思議なもの」を思いついて、それでことたれりにしている、というか「不思議なもの」を思いつく感性がSFと思いこんだために、SFはダメになったとか、現実に負けてるとか言われちゃう「もの」になってるんやなかろうかねえ。
 いや、具体例がなくてなんですけど、人間ってかなり常識とか日常性にしばられていて、感性だけで「とてつもなく不思議なもの」は思いつけないのでは。と、思っとるんで、感性を排した所で、論理を機械的に積み上げた結果、とてつもない結論が出てしまう。その「とてつもない結論」=「とてつもなく不思議なもの」=SFの醍醐味だと思っとるんだが。



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1899年11〜12月

マンシー・マガジン
11月 パブリック・アイ。今月も知らん人ばっかりやのお。ソフィアの続きがあって「1900年の受難劇」「ピクチャレスク・オックスフォード」「ゴメスの真相」「路面電車の市営」On the Night Desk by Albert Bigelow Paine、「ポルト・リコへの義務」掌編小説コーナー「最速列車」ホープの続き。って完結しちゃたよ。「ニューヨークのホテル」演劇セクション。Bill of Biloxi by Mary A. King

12月 「マンシー・マガジンの製作と営業」、The Fashionable Christmas by Anne O'Hagan、「無線電話」、The Isle of Unrest by Henry 0seton Merriman、「1900年の選挙運動」「新しい語り手」パブリック・アイ。「クロンダイクの門」「新生アナポリス」掌編小説コーナー。ソフィア。演劇セクション。

コスモポリタン
あ、持ってないわ

ストランド・マガジン
28(5)
11月
まずはドイルの続き。「難破船捜索」。アレンのHilda Wadeまだ続いております。パンチまだ覗かれております。ウェントチャーチは駅長物語Special Working Instructionってのが載ってます。イエラストレイテッド・インタビュー67はロンドン主教の巻です。ジェイコブも続いていて、動物の行動の記事、L.T.ミード&ロバート・ユースタスの続き。「大流星雨」という記事があって、The Bishop and the Boy by John Oxenham、つづいて騙し絵のカードの紹介。ネスビットはドラゴン連作は終ったのね。Where you wantogoto or the Bouncible Ballってのが載ってるよ。「悪魔の栓抜き 地質学者の困惑」ってなんか地下から螺旋状の石が発掘されるけれど、何? という記事。あいかわらず嘘くさい図版である。
28(6)
12月
今月はイラストレイテッド・インタビュー68で幕を開ける。サー・ローレンス・アルマ−タデマって何。画家のようではあるが。紹介されている絵はラファエルロ前派風。
 で、ドイルが完結。あいかわらずのパンチを覗く記事、ともかく今回で1899年まで来ているので終わりか。The Gorgon's Head by Gertrude Baconってのがあって、続いて「オレンジの皮むきチャンピオン」。いや、むくのが早いとか、山ほどむくとかいう話ではなく、えらくややこしく剥いて、クトゥルーな感じにしてしまう人の記事である。いやマジで。カラーならまた別の印象を与えるかも知れないけど、こりゃ気持ち悪い。食う気がおこらん。つづいてロバート・バーのThe Arrival of the Unexpected。「インドのジャグラーってまやかしなの?」っー、記事があって。ミード&ユースタス。で、「おどけた闘牛」という記事。これは犬に牛の着ぐるみを着せて、闘牛のものまねを演じてる人を紹介。おんや、アレンのHilda Wade結局12月も続いているねえ。いや、99年にアレン氏がなくなり、これはコナン・ドイルがあとを続けて完結させたとかきいた気がしたけど、雑誌掲載時には何もいわずに続けたのかねえ。いや、まあ来年の始めになんかあるのかも知れんが。「1899年のヒーロー」The Man who Stole the Castle by Tom Gallon、「陸海軍の手旗信号」スティーブン・クレインのThe Revenge of the "Adolphus"「百年前」って、回顧記事は去年もあった気がするなあ。ホワイトチャーチのPierre Cournet's Last Run、A Tyranny Crushed by George manville Fenn、「軍隊のクリスマス」、A Surprise Party by Mrs. Newman、「世界最大の像はいかに造られたか」ということで、自由の女神建築の模様を紹介する記事が出ている。で、ジェイコブスは続き、ネスビットは子供のためのお話でKind Little Edmund or the Caves and the Cockatrice

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