二重時間者

四郷威智



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 何かといいわけの多いこの連載、三回しか原稿書いていないが、今回もまた実に厳しいスケジュール。いやなんか他の仕事が並行して幾つも襲いかかってきておるのですな。ということで、今回も適当にぶっとばす。スマン。許せ。
 さて、最近、浜尾四郎の『博士邸の殺人』を読んだのだが、併録の「不幸な人達」の初出が不明となっている。って、「文学時代」なんだが、そんなこともわかっとらんのか→ミステリー界の研究者。
 「文学時代」は『現代日本文芸総覧』という目次集に収録されてるんで、まず最初にチェック済になっているはずの雑誌のはずなんだけどねえ。意外と山前譲ってのもぬるい人なのかなあ(←知り合いの人、これを読んでたら初出のこと教えてあげてね)。
 まあ、ミステリーの方は作品数も多いから単行本中心で雑誌の方まで調べとらんのかのお。まあ、江戸川乱歩が偉すぎ、ってのがあるんだろうけどね。俺は視野の狭いSFファンだったので江戸川乱歩ってミステリーの人でしょ、関係ないやっ。と、割と最近になるまで乱歩の本て読まなかったのである。でも乱歩の本ってのは古いSFのことを調べる場合でも必読なんですよねえ。
 思いおこせば、コミック・ショック(関西で展開している売り場面積の小さいブック・オフ風古本屋)の深草店に講談社の乱歩全集文庫の随筆評論系の巻がずらっと100円で並んでいた時も、一冊も買ってないよ、俺。いや、後悔先に立たず。
「買わずに後悔するよりも、買って後悔せよ」とは尊子日下三蔵の言葉であるが、まあ、俺は大体買わずに後悔してるね。
 で、乱歩が偉いって話だけど、最初長谷部史親の本を読んで、長谷部史親って偉いなあと思ったんだけれど、乱歩読んだら、結局乱歩に毛が生えた…じゃないな、乱歩に毛が生えたらそれは大変なことだから…乱歩がズラかぶったぐらいの本なんだよね。と、こう書くと長谷部氏を貶している様に読めるけど、いや長谷部氏は悪くないんですよ、ただ乱歩が偉すぎ。
 そのせいかなあ。乱歩と比べられては勝負にならんと路線を変えたのか。本業の古本屋の特権で珍本は幾らでも(一般のミステリ研究家に比べて)手に入るはずなのに、あまりにも、大した発見をしなさすぎなんだよね、あの人。それとも妬まれるのを恐れて発表しないだけなのか。


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1899年2月

マンシー・マガジン
20(5)
 ホープ、ペンバートン、ハガードの連載は続いている。スペインとの戦争も続いている(って記事のことね)。あとクロンダイク鉱山の記事が載ってる。他にもちょろちょろとなんかあったけど、やる気なし。

コスモポリタン
26(4)
 「聖地のウィリアム皇帝」「占領後のマニラ」などという記事があって、あと小説としてはHer Gurdian Angel by Lloyd Osbourne, The New Organ by Eliza Calvert Hall, Mr.Cornelius Johnson, Office-Seeker by Lawrence Dunbar, The Professor by James Gardner Sanderson, The Heavn of Dead Ship by Sylvester Baxterなんてのが並んでいる。
 「管と線の地下道」って地下の施設を取材した記事。「帝国はいかに建設されたか」モハメッドの巻。なんてのも載ってるね。

ストランド・マガジン
17(2)
 今月のドイル「炉辺物語」は第九話「ユダヤの胸牌」(これも新潮文庫「ドイル傑作集」ミステリー編に収録されてるヤツなんで、手に入れ易いっす)。
 それにつづいて、「クレオパトラの針の物語」って、エジプトから、何ですかね、あのオベリスクってんですか、尖塔状の記念碑をいかに輸送してかっぱらってきたかが写真入りで説明されております。
 Ivanka the Wolf-Slayer by Mark Eastwoodって小説があって、グラント・アレンの昆虫観察な記事がさらに続いております。
 Drawing a Badger by Edmund Mitchellがあって、A Comon Crystalって塩田を紹介した記事、前号から続く、「「パンチ」を覗く」って「パンチ」についての記事、とアレンの連載小説Miss Cayley's Adventuresの続き。
 「樹上の町」って作りっぽい、記事。アーサー・モリソンのAunt Sarah's Brooch。「1811年の記録」ってのは、なんか朝、羊の毛をひっぱがして、それを夕方までにコートにしてしまったという偉いのか偉くないのかわからん記録を打ちたてたおっさんの記事と思われる。
 子供の為の物語。今月はThe Memory-saver by F. C. Younger。

後で調べて追加しようと手を抜いた部分もあったのだが、もう間に合わん、許せっ。はあ。



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1999年2月


月刊アスキー3(小川)BOOKS WITH PAGESBROWN GIRL IN THE RING BY Nalo Hopkinson評]
小説すばる3かんべむさし寺町異変 
本の話3野村芳夫チヨンクオ無風雲録 
東京人3永瀬唯電脳博覧会15デジタルで購入、好きな本。 津野海太郎編『「オンライン書店」の誘惑』
日本古書通信2横田順彌明治時代は謎だらけ!!二宮忠八の無念
本の窓2・3横田順彌古書ワンダーランド45いまも昔も似たような
モノマガジン3/2岡田斗司夫おたくの歩き方第30回インターネット編2
モノマガジン3/2岡田斗司夫新オタク日記1/16-1/31
NAVI3笠井潔A history of my reading[読書の心臓]加藤典洋『アメリカの影』
小説新潮3菊地秀行魔剣士−妖太閤篇 第二回 
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週刊読書人1/15菊池誠[ダスト]エコロジーSFの傑作[他新刊SF評]
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本の雑誌3鏡明連続的SF話175未来の到来
翻訳の世界4金子伸郎12月号課題講評日本語になっている単語には注意
太陽3荒俣宏ザラ紙の楽園アメリカ大衆マガジン再発見2パルプが創ったSF
東京人3荒俣宏平田篤胤の陰に平将門あり。神田明神の江戸学講座7
本の雑誌3高橋良平痛快無比な人生絵巻で元気百倍! 
月刊アスキー3高千穂遥高千穂遥の大混線かかってきなさい![新マシン導入記]
すばる3佐藤亜紀すばるBookGarden人民から愚民へトマス・ピンチョン『ヴァインランド』佐藤良明訳[評]
2佐藤亜紀異様なる「視線の小説」−「偽造手記」対談 国分寺公彦
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小説すばる3山田正紀本を売る。 
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小説すばる3酒見賢一ふきつ 
青春と読書2新井素子みごとな「嘘」がSFの醍醐味 『チグリスとユーフラテス』の完結をめぐって対談 大森望と
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