新東三国通信 (第五回)
村上 純平 

 9年間乗ってた車(ホンダインテグラ平成元年型)をとうとう手放し、スバルレガシィに買い換えました。
 震災も無事に乗り越えてきた車ですけどさすがに9年間9万キロ乗っているとボディはふにゃふにゃ、高速でステアリング切っても1回では曲がらないし、ペダルの付けねから雨漏りはするし、まあ、あっちこっちにガタがくるもんです。でも、さすがホンダ、エンジンはまったくヘタリは感じさせませんでしたが。
 こんな書きだしで始めたのも実は前回紹介したかったのに家のプレーヤーに掛らなかったバリー・マンのプロモ盤が新しいカーオーディオで再生出来て購入以来約4ヵ月にしてようやく聴くことができたからで。

”BARRY MANN” BARRY MANN
 一言で言えばAORとなってしまうんだけど、そこはソングライターとして圧倒的な経験を持つ人だから、その辺のちゃらちゃらした物とは比べようもなく、リラックスした中にも重みを感じさせる貫祿ものです。望オリジナル盤。

”COZY” 山下 達郎
 待ちに待った7年ぶりのニューアルバム、というのが今回の売りなんだが、前作からそんなに経ってたっけ、てのが僕自身の正直な感想。打ち込みが減ったし、かつての "GO AHEAD!"や"MELODIES"の様な良くいえばバラエティーに富んだ、悪くいえばテーマのない造り。が、僕はこういったものが山下達郎の本質だと思うし、好きだ。
 同時にツアーも再開、10月22日のフェスを見る。
 6時半から正味3時間以上、全25曲(?数えていたが途中で判らなくなった)。やっぱホンマもんです。プロです。来た客は楽しませて帰そうという、そのサービス精神には頭が下がります。いまどきコンサート会場で売るCDにサイン色紙のおまけを付けるミュージシャンなんてそういないでしょう。難波さんもガンバッテました。

 続いて本のほうも。

”たったひとりのワールドカップ” 一志 治夫
 カズこと三浦知良のワールドカップをめぐるノンフィクション。僕はいつも思うのだけどスポーツ選手にとって運というか、流れにのるかどうかというのが実力以上に必要じゃないだろうか。それは、後から振り替えってからしか判らないのだけど、カズにとってもフランスのピッチに立てなかった事、それはやはり、ドーハから流れが狂い始めていたのかと、思わせる。

”ゼニの人間学” 青木 雄二
 ハルキ文庫にて文庫化。著者は見事なまでの経験主義的マルキニスト。ここまでよく、ストレートに書いたもんだと感心。だって、マルクスにドストエフスキーだもん。朝日新聞が何だかんだ言っても青木雄二といしいひさいちの連載を続けるのは見識が高いとしか言いようがない。
 しかしこの本にはひとつ大きな間違いがある。そこを引用すると、
 ”結婚を考えている女にとって、公務員というのは、まさに垂ぜんの記号や。人間の本質を問題にしない女性にとって、こんなありがたい記号はない。だからモテモテなのである。”
 そんな事例、周りにないぞ。


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