東三国通信 (第三回)
村上 純平 

 ちょっと前の話ですけど、ローリングストーンズの大阪公演に行ってきました。ストーンズのコンサートはミックジャガーのプレ・ストーンズ公演を含めると3回目なんだけど、興奮度は今回が最高じゃないかな。

 まず、構成が非常に粉慣れていて見ている者を自然にコンサートの空気のなかへ身を沈めさせるという感じで、非常に心地良い時間を過ごせた。もちろん中味は大ロックンロール大会でノリノリだったんだけど。大阪ドームの音響も、オープン大会で清原が打ったファールフライが落ちてこず、こんな球場で大丈夫かの声が上がった時”うちは球場でなく多目的施設ですから”と開き直っただけの事のある、良好な音響で、大阪城ホールよりいいんじゃないかな。もっとも同席した宮城さんに言わせると、今回のツアー全般に音は良く、ミキサーの腕がかなりのものらしい。

 それにしても、大阪ドームの"十三信用金庫"の看板の前で歌い踊りギターを弾きまくるミックとキースの姿に”ああストーンズが大阪に来てるんやなあ”となんともいえぬ思いに浸ってしまった。

 ところで、コンサートを見ていて思ったんだけど、

    キースは米村さんに似ている。

 ということで今回はCDを。

”The GO Sound of Slots!” The REVELS SUNDAZED SC6067

 本でもレコードでもそうなんだけど、だいたい僕は昔からなんか俗にいう色モノに弱く、傑作と呼ばれるものをハズして当たりかハズレか判らない(大体がハズレ)変な色モノに手を出してしまう癖がある。痛いめに何回も遭っているのに、こういう CDを見つけるとついつい買ってしまうのよね。

 タイトルとバンド名からははーんと判る方は、たぶん40前後で模型が好きだった人だろう。タイトルの"Slot"はスロットレーシング、つまり60年代半ばに日本でもブームになったレーシングカーの事で、バンド名の"REVELS"はあの模型メーカーのレベルのこと。アメリカの西海岸でもその頃、はやりはサーフィン、ホットロッドに続いてスロットレーシングだ、ということで企画されたタイアップ盤ということだ。

 実は中味はサーフィン/ホットロッドサウンドの仕掛人ゲーリーアッシャーのプロデュース。スロットレーシングブームを盛り上げる為、なんでもレベル社から幾らか金を貰って2日間でやっつけたらしい。だからバンドもあの”リトルホンダ”のヒットを飛ばしたホンデルス そのまま、といってもホンデルスもロサンジェルスのスタジオミュージシャンの集まりで実体がないようなもの。ボーカルの人間は俺がこんな歌を歌うなんて信じられない、といいながらやっていたらしい。

 で、音のほうは"スロットシティ"や"リトルスロットクーペ"なんてどっかで聞いたことのあるような曲のタイトルを聞くだけでわかるもろサーフィンホットロッドサウンド。ギターにグレンキャンベル、トミーテデスコ、ドラムはハルブレインと名うてのミュージシャンで手堅い作り。

 ライナーにModel Car Racing Languageなんて用語集がついているのがご愛敬。梅田フォーエバーレコードにて購入。

”金太の大冒険” つボイノリオ TODT-3650

 あの放送禁止歌”金太の大冒険”がいつの間にか解禁になって、シングルCDで発売になっていた!オールナイトニッポン2部で無茶やってすぐ降ろされたり、ハイヤング京都という京都周辺でしか聞けない番組でDJをやっていた、いささかカルトなフォークシンガー。

 もともと、放送禁止になるっていうのは、その当時の時代背景とかいろんな要素があって決められてしまうのだろうけど、それが、解禁になるのはどういう仕組なのかぜんぜん判らない。誰かその辺にくわしい方いらしゃったらおしえてください。

 さて、今聞くと牧歌的ですらあるこの歌が放送禁止になった70年代はなんとマジメな時代だったんだろうと思えてくる。なんでも、バックで演奏しているのは売れる前の四人噺子で、レコーディング中笑い転げて演奏がまともに出来ず、録音がなかなか進まなかったらしい。

 確かに久々に聞くと妙に新鮮でメロディーが妙に頭に残って、鼻歌でついつい「金太負けるな、金太負けるな、金太負けるな〜」と口ずさんでいるに気がつくこともたびたびだ。

 あとジャケットが小林よしのりだけど出来れば、とりいかずよしにして欲しかった。タワーレコード梅田店にて購入。700円

ちょっと上記2つにページを割きすぎたようだ。今回はこんなところで。


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