今回もあまり時間がないので、生の情報を掲載します。HTMLエディタをまたまた変えました。

11:56 96/07/13
恐竜レッドの生き方 文字どおり温血で頭のいい恐竜の生きざまのお話。面白くはある。とはいえ、本書の擬人化、というか擬哺乳類化された描写には異論もあるだろう。温血とはいえ恐竜と人間がどこまで同じでありえるのか。(鳥と人間はそれほど似ていない)。

22:33 96/07/13
マガジンを入手 奈良の駸々堂にはいつもと変わらず平積みのマガジンが売れ残っていた。まー奈良ではテレビ東京系はケーブルテレビを除いては入らぬ。エヴァゲリ現象といってもローカル現象なのである。とはいえ、東京ローカルでおたく系は十分商売になるからいい。内容は廿年前の象徴ディレイニーと今現在のカルトであるエヴァとの無気味なダブルブック。融合しているように見えるのも奇怪。中では、庵野監督(との鼎談を編集した)インタビューが分かりやすくてよい。
SFバカ本 大森望のいうところのバカSFとはちょっと違って、ほんとのバカバカしいSFのオリジナルアンソロジイ。うーむ。大半が軽いエロSF(死語)なので、それならSFエロ本とした方が売れたのではないか。こういう本の場合、集まる作品の質が問題である。中では中井紀夫「ジュラシック・ベイビー」がよい。本書の中では、ちょっと異質な内容だけど、これこそが日本のバカSFであろう。

15:33 96/07/27
ブレードランナー2 ジーターだからといって、これではディックのレプリカントともいえぬ。やっぱまともすぎるのかね。所詮偽物はにせものなので、哀しいね。
突然(といっても8月末から)アメリカ出張することになる。期間は1ヶ月と長い。目的はシリコンバレーの提携企業での進捗管理で、適当にやれば何とかなるであろう。Mebiusはそのまま渡米予定。Niftyのアクセスやホームページのメンテも恐らく問題ないので、まー便利な時代ではある。

17:10 96/08/10
星海への跳躍 処女作であるがゆえに後期作のアメリカ的発想が薄く、SFグローバルな初々しさがある。とはいえ、主人公が一体だれだかわからないという、処女作であるがゆえの欠点もあるのはやむを得ぬか。

0:12 96/08/13
府立体育館でボリショイサーカスを見る。サーカスなどは百年ぶり。ボリショイの特徴は、白猫とシベリア犬と熊の縄跳びと馬である。2階席で遠いが、まあ8割引の団体券なのでやむを得ない。
SF大会の泣き言を受け取る。まー大会というのはこういうものなのですが、一体これを書いてどーなるというのだね。きみ。
博美さんの旧友夫妻がくる。コミケに出店するような人たちで、奥さんは中島梓そっくり。例によって?エヴァゲリ本をもらう。

22:47 96/08/14
人間狩り(二〇三〇年東北自治区)を今頃読む。伝統的半村主張であるが、やや消化不良。

22:42 96/08/25
コクラノミコン参加。今年は1つも企画を見なかったので、何のために金を払ったのか分からぬ。のぞみで往復、リーガロイヤルで2泊、いったいいくらかかったのか分からぬ。大会も存続を危ぶまれる時代となった。とはいえ、我々の時代も実際はそれに近かったですね、やっぱり。
スペースワールドはコスモピア経由ルナ・エクスプレスにプラネット・クルーズ、ブラックホール・スクランブル、スター・シェーカー、クリッパー、宇宙博物館、フリーフォール、コスモファイター、ミルキー・ウェイ、スペース・バルーン、くるくるUFO、わくわくクレーター、スペースカップ、ブーブーフランクにビッグバンプラザときた。のべ5時間、雨上がりの涼しい平日でなければ死んでいたところ。翌日は小倉城からインド料理。堀先生は遠望、石飛先生は何か年を取った。その他陰山やら西川先生にあった程度か。
唯一顔を見せたのはSFマガジン編集長(編集部)の部屋のみ。トリプルルームに五十人、まー海外SF企画ももう少しあってほしい。水鏡子に会って感動している人もいるのです。

重力の影 超ひも理論が大学権力闘争物語まで縮退、というか古代SFの冒頭を読むようなお話。ただ、結構読めるのは、臨場感溢れる大学描写と理論説明にあるのだろう。

物語が始まる 恐るべしお茶大SF研出世頭(といってもあんまり儲かるまい)の短編集。言語感覚で芥川賞受賞となったわけで、内容は純文ファンジイに多く見られる夢ネタに近い。しかし、基本的な構成物(ガジェット)はお茶大といえる。

7:43 96/09/03
えーと、今は3時40分(タイトルは時差修正前時間)メリケンです。しばらくここで記事を書きますが、時差15時間です。何か欲しいものがあったらどうぞ。ただし、SF(サンフランシスコ)からは百キロ南(サンノゼ)なのでそのつもりで。
まー家族との連絡も、会社との連絡もすべてメールです。

23:17 96/09/12
ジェンダー城の虜 軽トリックの爽やかミステリといったタッチながら、設定と登場人物の異常さで売る作家といえよう。
サンノゼでFry'sという売り出し中のPCスーパーは、家電も扱っていてJoshinのようでもある。品揃えは豊富とはいえ、驚くほどではない。その他、ショップ系も見ましたが、ここは日本橋、秋葉原と雰囲気(薄暗くてごたごた)から客筋(デブで薄汚いおたく風)まで同じ。店が広い(日本の同系店の4倍)ところがかろうじて違うか。
スーパーで現地仕事用のPCを調達。ノーブランドP120+1GHD+2MGC+4×CD+16Mで1100$(2年補償付)なり。メモりは32Mで150$なので日本並み。大差はないが、まー安いか。
東洋人(特に中国人と韓国系)がやったら多いカリフォルニア。車は半分が日本車で、車線が多くて信号機が変なのを除けば、日本と変わらぬ(とまではいえぬが)。
まー1ヶ月もあるのですが、早々にサンフランシスコのチャイナタウン(なんというか、全体が同じような中国雑貨街)、フィッシャーマンズワーフやら金門橋なんて観光スポットも見ました。見てしまうとなんてこともないわけです。無感動な奴。

21:11 96/09/15
十三番目の人格 今頃読む。結構よく書けているような気がする多重人格テーマホラー。ミステリ風謎解きとエンパスのヒロインをからめて、まずまず。とはいえ、予想の範囲に落ち着くという展開で、今ひとつインパクトは不十分。まとまりすぎたためにホラー大賞を逃した(佳作)のであろう。

9:59 96/09/22
死の姉妹 3分の1程度がSFである。序文は、ちっとも似ていないのに集めると似ている姉妹という比喩で、このアンソロジイを表現している。テーマの曖昧さから逃げているともとれますね。まーしかし、説明がなければわからないとはいえ、比喩的にはなかなかよいと思います。吸血鬼テーマのアンソロジイ全般につけられそうですね。
中では、タニス・リーの出来が図抜けて詩的(ホラーではないけど)。後は水準作。

21:15 96/09/28
アメリカ滞在25日を経過。
サンノゼ(SanJose)周辺の書店では、まあたいていSFは置かれているのだが、半分をファンタジイ系で占められているのは、まあこんなものか。新刊の出たギブスンとカードはどこでもある。
 スタトレ系も多くて、たいしたことはない。中では、スタンフォード大学構内の本屋だけが、バラードやディック、レムなどを多数揃えていて、いかにもそれらしい。講義ででも使うのかしら。
不思議なことに、ニコルスのEncyclopedia(トレードペーパー版と図解編)だけはどこにでも置いてある。ベストセラーとも思えませんが。
パロ・アルトのスタンフォードは、これだけはいかにもアメリカという壮大さがあって、さすが学費参百萬円也(年額、購買力平価ならば六百萬相当)だけのことはある。

水鏡子のHP到達などを遠望。今は「にゃあ」でいいけど、このまま大量の文書を上げるようになったら、それはそれで問題ではないでしょうか。

14:20 96/09/29
ウィルス進化論 今頃読む。ウィルスが遺伝子の媒介者であるというアイデアは、(原著発表当時より)今受けしてよい。とはいえ、今西進化論との融合ではいまいち実証が不足しているのでは。

10日後には帰国予定。ホームページはまだ未完です。

編者注:岡本家記録は岡本俊弥のホームページにあります。これはTHATTA版で、一部編集されています。

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