青心社営業日誌

第24回

 細美遙子


2016年10月

 一ヶ月って本当にあっちゅう間に過ぎ去りますね。ただ、季節はきっちりと進んで、ついこのあいだまで汗ばむ陽気だったのに、今は長袖で過ごせる気候になりました。これを秋というんでしょうか。
 今回は青心社関係の行動も、ミステリ読書会関係の行動もいっさいなく、本当にただのホソミ個人の日記です。時間が余ってどうしようもないというような方でなければ、読まないほうがよろしいかと存じます・・・本当に。時間のムダよ。

10/8-9(土・日)
 京都SFフェスティバルでした。ホソミは8日夜の合宿から参加。大広間で青心社の本を税抜き1割引で販売。買ってくださったかた、ありがとうございました。
 10時ごろから麻雀部屋に行きました。柳下氏はすでに別卓ではじめておられたので、となりの卓で若い子たちと開始。最近、ふたたび若い層が麻雀をはじめたようでけっこう盛りあがり、午前6時まで遊べました。うれしいかぎりです。こちらも若いヒトたちとふれあえて元気になれたと感じるような年頃になりました。嗚呼老年期。
 閉会式のあと、いつものメンバーで河原町御池のホリーズカフェでモーニング。去年知ったあんこトーストがけっこう病みつきになってます。名古屋人を笑えない。
 解散後、今後名前がどうなるかわからない京都市美術館の『若冲の京都 KYOTOの若冲』展を見に行きました。時間が早かったおかげかけっこう落ち着いてゆったりと鑑賞することができました。鶏いっぱい、鯉いっぱい、並べて見ると違いがわかるという展示でした。
 そのあと、かねてから行ってみたかった喫茶店『ラ・ヴァチュール』に。ここは平安神宮のすぐ西側のすじにある小さくておしゃれな喫茶店で、パリで修行したおばあさんが本場のタルトタタンを出すので有名でしたが、最近はお孫さんが継いで同じ味を出してるというお店です。お店を見つけてウェイティングリストに名前を書き、10分ほど待つだけで入れました。タルトタタンと紅茶をいただきました。合わせて1160円。値段なりにちゃんとおいしかったです。季節に合わせてリンゴの種類やしあがり具合が変わるようで、ちゃんとそういう説明をしてくれます。小さいお店ですが、心からゆったりできる雰囲気でした。
 先月行けなかった六道珍皇寺がまだ公開中だったので、お参りにいきました。小野篁(たかむら)が冥府に通った井戸と戻ってきた井戸、両方を見ることができます。なんか井戸の内側にオレンジ色の豆電球を通してちょっとライトアップ(?)してありました。あとは所蔵の六道地獄巡り図を間近でじっくり見ることができます。もう何年も前になりますが、ボニータコミックスの『六道辻の冥府返』by八瀬惣子 のシリーズを読んでとてもおもしろかったんですが、ツタヤのレンタルで読んでて、その後買おうと思っていたらどこにもなくなっていて悲しい思いをしました。明治期に小野篁の子孫とか小野小町の霊とかがわちゃわちゃするというような話で、ほかにない切り口のなかなかいい作品だったのに、なぜなくなる・・・「まんだらけ」も何度か見ましたが、見つけられなかったっす。
 今回の心残りは御朱印帳を持っていかなかったこと。ここでは小野篁と閻魔大王と何か(忘れた)の三種類のご朱印がいただけることがわかりました。次は忘れずに持っていきます。
 というわけで、ホソミ的には充実した京フェス二日間でした。
10/10(月・祝)
自宅近くにある清酒福寿の直営店『酒心館』の蔵ホールで、ピアノと鼓のコラボレーションという珍しいコンサートがありました。ピアノふたりの連弾と女流能楽師ひとりの鼓で、ベートーヴェン『運命』やドビュッシー『月の光』などで協奏。鼓にこんな使い方があるのかと驚きました。
10/11(火)
京都の観世会館(能楽堂)で創作能『冥府行--ネキア--』を見ました。これはイタリアの演出家ミハイル・マリノスと梅若玄祥がコラボして作成した創作もので、昨年の7月にギリシャのエピダウロス古代劇場で上演されたものです。ホメロスの「オデュッセイア」第11歌「冥府行」をベースにしたもので、能楽師20人で演じられます。関西では初の公演で、最初の挨拶を梅原猛先生がされててぎょっとしました。生きてる姿を見ておけてラッキー☆☆とちょっと思いました。濃厚な仮面劇という感じで、一般の能とはまったく違うけど同じルーツを感じさせる演劇だと思えました。外国人にとって能は神を語れる芸術様式だと思われているんですね。
10/16(日)
「こうべ森の学校」の月例会日。昨年秋にうっかりここのスタッフになってしまいましたが、健康を守る運動がてら、月2回ぐらいは活動に参加するようにしています。そういえば京フェスのときに、街角で制服警官の警備を見かけましたが、あれは9日に京都府園部らへんで行なわれていた「育樹祭」に皇太子殿下が来てたせいでした。その育樹祭の会場で、「こうべ森の学校」が農林水産大臣賞(いっちゃんいいやつ)を受賞して、うちの代表のKさんが皇太子殿下から直接お言葉を戴いていたんでした。
 というわけで、この日は午前中森の手入れ(間伐)をし、午後は2月に椎茸の菌を植えて寝かせていた原木を立てかける作業の手伝いをしました。収穫は来年の春から秋になるそうです。手間がかかるんですね、なんでも。
10/22(土)
またしても京都観世会館で太鼓の会の発表会。こういういろんな一門の発表会は素人会といってタダで出入りできて思う存分見られます。今回は太鼓の会なので、全部囃子モノで、ホソミとしては大変楽しかったです。
10/23(日)
京都府園部にある京都伝統工芸大学校の文化祭「松葉祭」に行ってきました。うちのムスメも帰ってきてて、いっしょにはるばる行ってきました。今年で3回目になりますが、陶器や漆製品、竹製品、和紙製品など生徒の作品がお安く買えます。説明も熱心にしてもらえ、意外と楽しめます。特に仏像彫刻など、部分的な作品からでっかい仏像まで段階的に見ることができておもしろいっす。
10/27(木)
夜、三宮のミント神戸ビル18階で神戸六甲山大学(という官民共催のプロジェクトみたいなやつがある)主催のミントサロンという講演会を聴講。森林ボランティアで知り合った人が出るので行ってみました。今回はふたつのボランティア団体の活動報告。どこも涙ぐましい努力をしてるのに、若い人が集まりません。まあ当たり前ですが。終わってから、各種ワインとつまみで懇話会。参加費500円でワイン飲み放題というのにつられて参加してるおっさんたちもけっこういるようでした。森ボラでの知り合いがいてちょっとびっくり。こういうふうにしてボラ活系の知り合いが増えていくのね。
10/30(日)
「こうべ森の学校」の活動地である再度(ふたたび)公園で神戸市森の文化祭がありました。六甲山、摩耶山その他で活動するグループが合同で参加して、たくさんのブースが並びます。ホソミはヒサカキ、ササ、クロモジの3種類のお茶をタダでふるまうブースに参加。通りかかる人に声をかけてお茶を勧めます。タダなのでけっこう人気。ハーブティーと書くのはほぼサギだと思いつつ、その辺で切ってきた葉や茎をちょっとあぶって煮出したお茶を次々とふるまいました。3種類それぞれ、味も香りもちがってけっこう驚きます。特にササもクマザサなどではなく(六甲山にクマザサは自生しない)本当にその辺のササですが、けっこう澄んだ緑色と味がしてイケます。子ども連れの家族も多く、シイの実(マテバジイ、スダジイ)を炒って食べさせてくれるブースや丸太切り体験、木登り体験(ヘルメットをかぶってロープを使って高木に登る本格的なやつ)が大人気を博していました。
11/4(金)
「こうべ森の学校」の研修旅行で岡山県の西粟倉村に行ってきました。住民1500人中150人が移住者(しかも若手)という村で、林業以外何もないというところで、地元で木材加工場をつくって製品化までして売ることで村おこしをはかり、成功したモデルとなって有名なところだそうです。偶然ですが「森の学校」という会社の工場を見せてもらい、役場の林活担当の人の話を聞いて、野菜たっぷりのバイキングランチをいただきました。タダで連れていってもらえて楽しいから、まあいいんですが、なんか森ボラ系の活動がだんだん日常に侵蝕してきてる気がしてちょっとコワい気がしてます。ここに書いてる以外でも、こういう関連の会議に何回か出たりして、けっこう時間をとられてます。今後どうなっていくんでしょうか、ワタシ。

 今回は本当にただの日記でスンマセンでした(万一読んでくださった方がいたときのために)。これから年末まではまじめに仕事をする予定なので、今後もたいしたことは書けないように思います。
 あ、今テレビを見てて知りましたが、最近失言で有名な山本農林水産大臣は高知県出身だったんですね。なんちゅうかちょっと複雑な思いです←高知県出身者。
 それでは、インフルエンザなど流行がはじまっているようですが、みなさまお元気で。


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