みだれめも・出納日記 13年2月

水鏡子


〇1月の結果
支出計:156,911円。前年1月273,996円。117,085円減。
入手書籍:186冊 29,012円。前年187冊

 昨年は火災保険5年分の一括支払いをしたので、それを除くとほぼ前年並み。本の冊数まで図ったように同じ数。

1月26日(土)〜2月28日(木)
【トピック】
 発作的にリストを作り始める。『とある魔術』読破の反動もあって本が読めない。リストは来月掲載予定。
 「みだれめも」で林トモアキの紹介をするため粗筋チェックをしているうちに『ミスマルカ』全作の読み返しを始めてしまう。これは読んだ本でカウントすべきでないだろうな。
 3日。さんちか古本市。高くて何も買えない。

 14日。旧職場の同期会兼送別会。本来ならぼくも今年が定年退職だった。退職金が2.5カ月減ったとのこと。僕の場合早期退職で4%の加算があったのと、基本給が下がっているので、退職金だけに限定すると200万円くらいたくさんもらえているようだ。もらえなかった給料、共済年金額の減額、これらから税・保険料の徴収分の減、2年間の株の運用益などを相殺すると今年度時点で生涯賃金のマイナスは1千万を切る程度にとどまりそう。優雅な2年でこの程度の収入減ならよい引き際といえるだろう。
 送別会の後、ブックオフと古本市場とスーパー3軒のはしご。古本市場のライトノベルが見過ごせない値下げっぷり。逆上気味に40冊購入。これはしばらく近隣の古本市場を回らなければ。

 20日。遺品整理を頼まれていた知り合いの本屋さんから、声がかかり、本をいただくことになる。宮崎市定、古代ギリシア関係書などの立派な本をたくさんいただく。

 21日。日清食品株主懇親会午前の部に行く。試食品を腹いっぱい食べ、お土産をもらって、大阪緑橋の古本市場と玉造のブックオフを回る。20冊買う。そのあと、午後から青心社に顔を出すが青木社長は留守をしている。行き先は、ぼくと同じ日清食品株主懇親会の午後の部。

 22日。何回目になるのかよくわからない堺三保渡米壮行会。壮行会に先だって、尼崎の古本市場とブックオフに30冊買う。

 24日。細美瑤子に誘われて、ひさかたぶりに神戸ボードゲームの会に。ここは神戸大SF研の裏の顔だったりする。ボードゲームに参加しないで、ひたすら「ファイヤーエンブレム」のルナティック・モードを進める。追い出しコンパの話を聞く。3月9日の予定だがOBへの連絡を入れていないとのこと。

【読んだ本】33冊(内、漫19冊) 累計116冊(内、漫58冊)

 先月93冊と書いたのは入力ミス。実際には83冊。

R・A・ラファティ『昔には帰れない』★★★★
 第1第2短篇集と遜色のない作品集。ラファティには表面を取っ払ったSFのエッセンスがあるというのが昔のぼくの立ち位置だったはずなのに、『本にだって雄と雌があります』がSFかどうかと悩んだあとで本書を読み、どこがSFなのかわからなくなって動揺する。ベスト投票で日本作品のガラパゴス化とコメントしたりしたのだけれど、ほかならぬ僕自身そんな科学主義に浸食されているようだ。態勢の立て直しを含め、青心社本と国書刊行会本を読んでから、まとめて整理をしてみたい。

『SFが読みたい』★★

神林長平『敵は海賊・海賊の敵』★☆
 神林文体はこんなに解説っぽい口調だっけ。『ぼくらは都市を愛していた』のときも少し感じたのだけど、本書はさらに激しい。軽快なタッチでドタバタしながらややこしいテーマを扱うシリーズだから余計感じたのかもしれない。『敵は海賊』だから楽しめたけど、これが単発作品だったら挫折していた。

鎌池和馬『ヘヴィーオブジェクト(3)〜(6)』
『インテリヴィレッジの座敷童(1)』
『ヴァルトラウテさんの婚活事情』
 2冊読み残しが生じたので、『みだれめも・鎌池和馬』は来月回し。『インテリヴィレッジの座敷童』は掘出物。

北方謙三『武王の門 上下』★★★
 北方太平記を読み始める。水滸伝シリーズで日本との交易がそれなりに比重をしめているので、関連性を読み取ろうと思ったのだけど、水滸伝は宋の時代、太平記は明の時代で 直接的な関連性はなさそう。ただ『水滸伝』の底流をなす独立国家志向はどうやら作者の歴史物の基軸であるようだ。

前田珠子『鬱金の暁闇(14)』
 クライマックスに向かってテンションが上がってきたけれど、雨木シュウスケ『鋼殻のレギオス』も同じだけれど、薄いページで何巻も一つの戦闘を書き続けるのはよろしくない。

大澤誠『サカサマホウショウジョ(1)(2)』

『本の雑誌3月号』★★☆
 大森望特集号。目新しさがあんまりなくてネタが薄いとぼやいたら、堺三保に普通の読者にはあれで充分刺激的なのとたしなめられた。

(漫)冬川基『とある科学の超電磁砲(1)〜(3)(6)』☆☆☆
(漫)はその他、長谷川哲也『ナポレオン』8冊☆☆☆等、15冊。

【買った本・拾った本】主な本20点内
 岩波『ギリシア悲劇全集(全12巻+別巻)』(頂き本)、
 ブルクハルト『ギリシア文化史(全5巻)』(頂き本)、
 タキトゥス『同時代史』(頂き本)、
 ベリヤーエフ、グリーン『金星探検・深紅の帆』(頂き本)、
 大谷敬二郎『日本憲兵史』(頂き本)、
 佐藤春夫『釈迦堂物語』(頂き本)、
 柴田元幸『舶来文学柴田商店』、
 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『時の町の伝説』、
 K・バシュビッツ『魔女と魔女裁判』、
 李大熙『李朝時代の交通史に関する研究』、
 皆川達夫『西洋音楽史』、
 TOTO出版『昭和生活文化年代記(2)(3)(4)』、
 青木保、他『われわれにとってユートピアとはなにか』、
 杉原智則『烙印の紋章(7)〜(12)』、
 ユリイカ臨時増刊『世界マンガ体系』、
 『BLACK PAST第2号』(同人誌、十文字青450枚掲載)、
 六塚光〈一迅社文庫4冊〉、
 エミーリ・ローサリス『まぼろしの王都』

【株式成績・等】2月28日現在
 通算株成績(前年末含み損益−本年含み損益+売買損益):380万円の益
 グンゼの株主優待でパンツが2枚届く。
 なるほど定価1000円のパンツは2枚500円のものとは履き心地がちがう。
 アベノミックスに引きずられて株式市況は暴走状態。上下動を繰り返しながら右肩上がりの状況が参院選まで続くと読んで間違いない。飽きたから撤退すると先月言ったばかりだけれど、ここまで活況を呈しているのに乗らない手はない。参院選まで引っ張る気は毛頭ないが、4月頭の新総裁による日銀金融政策決定会合前後をめどに、持ち株のほとんどを処分する心積もりで3月権利落ちまでの短期勝負で本格的に参戦する。
 ソフトバンクを売る。含み益100万円が売買益に。ディーエヌエーを買う。ガンホー株の大上昇に巻き込まれてどんどん下がる。80万円のマイナス。ゲーム株との相性はほんとに悪い。株主優待狙いで石光商事(コーヒー)買う。買った翌日大幅に下げる。イートアンドを買う。3月末まで保有すれば冷凍ギョウザを18000円分もらえる予定。どちらも購入後じりじり下げる。
 ブロッコリー、2月権利落ちを待って9000株売る。売った直後からどんどん上がり始めてストップ高に。次の日も上げ続ける。どうやら権利確定で一般株主が売り払うのを大口さんが待ち構えていたらしい。トータルで350万円の利益を得たわけだけど、所有していた4万株をここまで抱えていたら利益は1000万円を越えていた。獲らぬ狸の皮算用だが、ここまででかい大魚とは当分巡り会えそうもないだけに思いっきり悔しい。
 儲けることができているからやめるつもりはないけれど、ぼおっとテレビをつけていて、たまに証券会社に電話するだけで、身を粉にして働いている若い衆の年収がときには3日で転がり込んでくるというのは、やっぱりまちがっていると思う。大負けした一昨年や、含み損に青くなり、せこせこリカバリーを繰り返しながら1年かけてなんとか含み損を消していた昨年まではそうも思わなかったが、今年のあがりは正直あってはいけない世界だと思う。こういう金の稼ぎ方をあたりまえだと感じることは絶対によくない。スーパーのタイムサービスが半額から6割7分引きに落ちたことを喜び、必要量の3倍量を買い込む生き方を大切にしたい。
 日経平均200円を超えた日にしぼって4回パチ屋に。4日ともプラスだが、そのうち2日は2万数千円突っ込んで、やっと5千円ほど浮くという薄氷の勝利。たまたま勝ちにつながったもののどこで大敗しても不思議がない綱渡り。自信をもって向かい合った去年とは少しちがう状況にある。


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