岡本家記録(Web版)(読書日記)もご参照ください。一部blog化もされております(あまり意味ないけど)。


 ということで、ここでは上記に書かれていない記録を書くことになります。本編は読書日記なので、
それ以外の雑記関係をこちらにまわしてみることにしました。

 世界最高株価のアップルが、万全で出したはずのiPhone5で、地図アプリの不出来が叩かれています。あれだけお金をかけて駄目となると、こういうネットインフラを背景にしたサービスを、そもそも垂直統合でやるのは無理ではないかと思います。しかし、アップルはiPhone1機種を製造するために、世界の大手企業を何社も束ねています(1社だけですべて賄える会社が存在しないから)。ここがこけると世界恐慌にもつながりかねない、というのは実は冗談ではありません。

 まあ、それはさておき、

 中国での尖閣デモ以降、何かと騒がしい今日この頃です。

 そのきっかけを作った老齢首都知事及び追従者は、俺たちは正しい主張をしているのに、中共は分別のない対応をしている、やはり邪悪な国なのだと思っていることでしょう。政権与党もこんな意図で国有化したとは思えませんがね。とはいえ、中国で仕事をする日本人在留者14万人/出張・旅行者370万人からすれば、大変困った騒動です。政界関係者は、日本からの出入りの意味を良くご存じないのではないでしょうか。2010年の時点で、日本からアメリカへの訪問者と、中国への訪問者は既に同数になっています。つまり、日本唯一のトモダチ(と勝手に思っている)軍事同盟国米国と、8割の人が嫌いな中国は同じくらい強く結び付いているんですね。

 中国は、輸出入ともに日本の2倍の貿易規模があります。その中で輸入(112兆円)の11%(内3割が機械類、3割が工業製品)、輸出(126兆円)の8%(5割近くが機械類)が日本相手となっています。対して日本にとっては輸出の19%、輸入の22%が中国です。金額では国別1位です。輸入のかなりな部分は、日本企業の中国工場からの輸入でしょう。出入り20兆円以上であり(波及50兆という説もあります)、日本の依存度が非常に大きいことが分かります。簡単に他国で代替できる量ではありません。逆に中国にとっては、輸出1位がEU、2位がアメリカ、輸入では1位EU、2位日本になります(欧州景気に左右されやすい構造というのが分かります)。

 日本では、未だに中国は生産工場の国という、10年前の古い認識の人が多いようです。そのため、騒ぎが起これば中国を見限ればよい、困るのは中国だけだと思っているような、なんだかとても安易な見方です。

 一般に、工業化が進む段階で、まず先進国市場向け下請け産業が勃興し、次にそれで得た投資収入をベースに国内消費市場が立ちあがっていくのですが、アジアでその段階に達した国は多くありません(韓国、台湾、シンガポール程度)。昔から工場立国だったタイやインドネシアは、自国市場を立ち上げる手前で足踏みをしています。人口が比較的少ないため、富裕/中間層の規模が膨らまないこともネックでしょう。ここで、日本の大半の会社は、中国は消費市場として機能すると見ています。確かにそれに見合う中間層の絶対人口はありますからね。なので、一部でガラスが割られ、放火されたくらいでは誰も撤退しないのです。中国を捨てると、代替市場はまだどこにもない。欧州は転落寸前、ドルを印刷するだけが頼りのアメリカは弱く、インドもいいですが、反日教育がないはずなのに、暴動/放火が起こるのは記憶に新しいところ。

  そもそも、烏合の衆が集まって暴動に至るのは“社会に不満がある”からともいえません(マスコミ得意の思考停止フレーズ。そもそも誰にだって、さまざまな不満くらいはある)。先進国オランダでああなのですから呆れますが、これがむしろ世界の常識です。インドは立派な民主国家(何度も政権交代している)なので、民主主義と暴動とが関係ないことも分かりますよね。(逆に、大人しい日本は、「大人」ではなく単に虚無的なだけかも、と思ってしまいます)。

 そんなことを恐れていては、世界で仕事するのは無理。ナショナリストの皆様は武士ですから、鎖国して食えずに飢え死するかハラキリすれば良いと思いますが、今時の多国籍/渡り鳥企業に、自失している余裕はないでしょう。今は様子見をしていても、みんな必ず金のあるところに戻ってきます。

 さて、最初に帰って、このいかにもな前近代的領土問題を解決する方法として、水鏡子の天皇東北説に負けない、鬼面人を驚かす画期的提案を1つ。

1.竹島及び北方4島は復活渤海国の領土とする
 極東地区の先住民である少数民族を束ね、仮想国家を構成し「新しい渤海国」として独立させる。そうなると、北海道・東北も渤海国領土になるが、先住民及びそのDNAを持つ子孫は、これら地域を自由に移動可能とする。ロシア族(スラブ人)、日本族(和人)、朝鮮族は居住権を認めるので、それぞれ勝手に留まれば宜しい。これはお互い見えないミエヴィル流の2重国家としても良い。
2.尖閣諸島は復活琉球国の領土とする
 奄美大島以南は日本が武力収奪した地域なので、琉球人の「琉球国2.0」に返還すべきである。当然米軍基地は撤去。その場合、安全保障上の懸念が生じるのなら、無人島の尖閣に基地を貸与する。島は複数あるので、米国、中国、日本がそれぞれ基地を置けば宜しい。何なら韓、露も可(島が足りない?)。琉球はすべての国と対等に外交関係を持つ。中立にするなら妥協もできるだろう。

 これでどうよ(って誰に?)

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