みだれめも・出納日記 12年6月

水鏡子


 ※起床は朝の7時頃。月曜日と木曜日がゴミ出し日(8時回収)なので、この時間帯に起きることを習慣づける。みのもんたや辛坊治朗のワイドショーをかけながらパソコンの前に座る。8時30分。チャンネルを日経CNBCに。3時半くらいまでチャンネル固定。その後、地デジ、アニマックス、キッズテレビあたりを切り替えながら2時過ぎ就寝。株データ、エロゲーなどで遊びながら、ほぼまる1日パソコンの前に座り続ける。睡眠時間が短いので、ときどき横になり1、2時間寝入る。週に3日くらい、外出。スーパー半額商品、古本屋定期観測、パチ屋、知り合いの本屋さんでコーヒーを頂く、内科・歯科診療など。日曜日大阪例会。合わせて神戸大阪の古本屋めぐり。
これが最近の生活パターン。

 株価分析時間が増大し、アニメ視聴が減衰気味。CS視聴を半年くらい続けると、再放送の嵐になった。後輩が設定してくれたアニメ予約も、ある日突然ブルーレイのリモコンがテレビのリモコンに乗っ取られて機能しなくなり視聴操作がめんどくさくなり、見なくなっている。

〇5月の結果
 支出計:515,157円。前年5月292,040円
 購入書籍:198冊 23,866円。累計918冊。前年累計815冊
 通算株成績(含み損+売買益):約400万円の損

 50万円超えである。冷蔵庫、エアコン、固定資産税が前年なかった追加支出で、さらに半年分の国民保険料の支払い月であることを思えば、まあ妥当なところだろう。誤算はなんといっても株の評価損で、しばらく前に、負けているのは任天堂とスクエアだけで8割の銘柄はプラスと豪語していたのだが、いまや8割がマイナスに転じている。大幅安は任天堂くらいで、他はじり安基調で下げ続け、売ると手数料を取られたうえ含み損が実損に変わるだけという状況で塩漬けにして負けが込むのを眺めるだけだった。6月末になってけっこうすてきな回復状況が見えてきていまはだいぶん元気だけれど、この時点では相当落ち込んでいた。

 購入書籍200冊は東京、浜松、末広書店の大量購入を考えればむしろ少なめ(?)。実際近隣ブックオフへの日参回数が激減している。外出回数が激減して、1日の移動距離200m、寝間着生活という日が増えてきてこれはこれで体に良くない。1月から処方されている糖尿の薬で、検査結果は毎月適正値に近づいているものの戻りが遅いと指摘を受ける。もうすこし、外出時間を増やす必要がある。

5月第5週・6月第1週
 日曜日。末広書店の最終日。狭い店内に50人くらいの客がいる。300円縛りで20冊買う。『シンデレラあるいは母親の霊魂』『セルボーの博物誌』『動物園の麒麟』『エリナー・ファージョン』など。『火星年代記』や『火星のプリンセス』の訳者あとがきが収録してあって、ずっと狙いをつけていた岩田宏のエッセイ集は500円の値付けが下がらなかったので買いを断念した。
 株主総会の通知が続々届く。ほとんどが東京開催だが、関西開催もいくつかある。おみやげ目当てで今年は覗きにいこうと思う。例会で、青木社長とどこにいこうか相談する。
 『BLEACH』小説版を買う。成田良悟が書いている。

6月第2週
 『ランスクエスト・マグナム』を続ける。
 週末は神戸大SF研の新歓コンパ。現役9名に対してなんと新入生が11名だという。何が起きたのかとOB連の分析結果は、遊戯王世代が大学生になったのだということに落ち着いた。そういえば、今年同様大学に入学した佐脇のところが中学校だったとき、当時佐脇が会長だったPTAで、放課後居残ってカード・ゲームに興じる生徒が問題化したという話を聞いたことがある。
 飲み会のあとは徹夜カラオケ。今回の店には『大帝国』の主題歌があった。

6月第3週
 県市民税を支払う。11,300円。所得割が6,500円もついている。前年所得は1,000円切っているはずなのにと、申告と比べてみると、国税で38万円あった基礎控除が33万円しか認められていない。生命保険の控除額も少なくて、10万円近い所得があることになっている。へえそうなんだ。ちがうんだ。
 週末で『ランスクエスト・マグナム』1順目終了。2順目になると、敵がとんでもなく強い。
 株はあいかわらず低調。任天堂が270万円、ブロッコリーが110万円、スクエアが75万円マイナス。これがビック3.ブロッコリーのマイナスは値下がりするたびにナンピン買いを繰り返し傷口を広げたもの。ただしこの株は、一度売却して100万近い利益を確定させており、戻り期待がまだ持てている。問題は例によって残りの2銘柄。これさえなければ。
 一方、希望の星はガイガーカウンター付き携帯電話の発表が受けたソフトバンク。4月に購入したのだけれどじわりじわりと上昇中。
 宅急便で1m四方のダンボールが届く。あまりの巨大さと軽さに目を剥く。日清食品の株主優待品だった。カップヌードルやUFOが20点入っていた。

 日曜日。生まれて初めて株主総会に行く。マルシェである。お土産はないのだけれど、懇親会。弁当プラス酔虎伝や八剣伝の一品物屋台、ビール、ウーロン茶飲み放題、家族連れOKという大盤振る舞い。1,000人以上の混雑だった。1,000円の福袋があり、中味を見るとモツ鍋12人前など5,000円相当の食べ物セットなので購入する。その後京橋と心斎橋のブックオフを回って例会に。京橋のブックオフは今まで見た店でいちばん内容がなかった。例会で福袋を見て、青木社長が行くんだったと悔やんでいた。

6月第4週
 やっと市況が上向く。ソフトバンクに火が点き、その他の株も軒並みじり高、水木金と毎日50万づつ値が戻る。週末での株損は150万に圧縮された。下がるときもひどかったけど、戻りの勢いもなかなかのもの。
 さすがに『マグナム』に飽きてきたので、やっと少し読書に向かう。といっても、読み続けているシリーズものの最新作ばかりだけれど。

 金曜日。7月1日に職探しに渡米する堺三保の壮行会。12名参加。料理が2,900円だったので、3,000円集めて残りは餞別に。次の日曜、渡米前に療養している知り合いの見舞いに行くということで、一緒に行くことになる。

 日曜日。ZOM氏の車で行くことになり、西宮で待ち合わせ。合流前に西宮北口のブックオフを覗く。品揃えはなかなかいいのだけど、持っていない本は少なかった。見舞いは総勢6人の大所帯になり、1時間ほどだらだら世間話をして帰る。その後例会に。

6月第5週
 今週も株は好調。もしかすると7月は損益プラスに転じるかもしれない。
 木曜日。青木社長と日清の株主総会に行く予定だったが、同じ日に任天堂の総会がある。お土産は日清の方がいいのだけれど、荒れるのを楽しみに京都まで。
 結果的には肩透かし。基本的に株主みんな上品で、WiiUや3DSの可能性についてのハードユーザーのまじめな質問が続く。数名株価がらみの質問をする株主がいたものの想定問答に余念がなく、秋口には反攻に出て業績は回復すると押し切った。
 ただ総会後、7月28日発売の3DSllの内覧会があり、新商品の現物を見た。これはたしかに画面がでかい。3Dの体験画面は相当の迫力。へたをすると爆発的に売れるかもしれない。株価も少しもどりそう。なにより、ぼくが欲しくなった。
 総会後、大阪弁天町の青空古本市に。HSFSを初め欲しい本が大量にあるが値付けが高い。その高い本が強風の中、陽に焼けほこりまみれになっているのを見るのはちょっと痛々しい。大枚500円を払ってニコライ・アモソフ『未来からの手記』を買う。その他100円本で青山南『アメリカ探偵小説興亡史』、加太こうじ『江戸の事件簿』、小松和彦他『異界が覗く市街図』など。

今月の読んだ本から。

 北方謙三『岳飛伝』が始まる。不思議な本になっている。楊令が死に、未曾有の水害で物流網がずたずたにされた梁山泊。呉用を中心とした聚義庁からはいかなる指示命令も発せられず、しかしシステムの維持管理はきちんとなされている。敵も味方もとまどいのなかで、国の在り方、梁山泊と自らの来し方行く末をめぐり意見を交わしあう。めまぐるしく語り手の視点を変えながら繰り返されるのは強大な首長は必要かという提議である。『楊令伝』とまた異なるユートピアを描き出そうとする試みの背後に見え隠れするのは、大震災以降の日本を見た国の在り方への祈りに似た思いとファシズム否定のイデオロギーなのかもしれない。それに合わせた小説作法であるのだろうが、このシリーズの凄さは、『水滸伝』『楊令伝』『岳飛伝』とひと時の間断なく物語が紡がれ、出演者の個性がぶれず引き継がれていくにもかかわらず、3つの話がそれぞれにちがう造りの小説になっていることだ。『岳飛伝』が完結すれば50巻前後の大部数になるが、歴史小説の可能性を大きく開いた必読書である。

 ライトノベルの新刊はこまめにチェックしているつもりなのだけど、気づくと女性系をまとめて見落としていた。青木祐子『恋のドレス・完結編』、小野上明夜『死神姫』2冊、前田珠子『破妖の剣』などの新刊をまとめ読む。うしろふたつはわりと退屈。
 『ヴィクトリアン・ローズ・テイラー 恋のドレスと白のカーテン』は作者自らクライマックスは前の巻だったというとおり、重たいものがすべて洗い流されて、ホコホコ気持ちよく読める1冊。前半は、英国貴族御曹司と仕立屋の女の子の恋物語に、人を幸せにする恋のドレスと死と呪いをもたらす闇のドレスをめぐる陰謀がからまるアクション味の強い話だったのが、中段ヒロインの神経失調気味に性格が傾斜してぐじゃぐじゃになったあと、一段と深みのある話になった。著者とヒロインの距離の取り方を斟酌するのも面白かった。ヴィクトリア朝の身分違いの恋物語ということで森薫『エマ』を楽しんだ人にお勧め。

 成田良悟の『BLEACH』は上下巻800ページ近い大分量で黒崎一護が登場しない。作者のオリジナルなのだけど、『BLEACH』の世界に完全に同調しているので成田良悟が見えてこない。違和感がないというのはいいことなんだろうが。『デュラララ』最新刊も少しだれ気味感があり、やや物足りなし。

 設定紹介が終わると展開があたりまえすぎて、だんだん飽き始めているアニメ『アクセル・ワールド』なのだけど、本の人気はめちゃくちゃ高い。100円本はおろか半額本のコーナーでさえほとんど見つけられない。今月やっと第1巻の250円本を入手してさっそく読んでみたのだが、アニメを文字で読み返しただけの印象。あたりまえといえばあたりまえかもしれないけど、本を読む意義がまったく見出せなかった。そういえば家の中の未読の本には、『灼眼のシャナ』とか『とある魔術』といったアニメ化作品が200冊以上ある。ちゃんと読むつもりならアニメを見ないほうがいいかも。


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