ローレンツのカオス



ローレンツモデルは、大気の状態が時間とともにどう変化するかを記述している ものなので、 止まってる絵を見るより、動いてるところを見たほうが面白いでしょう。 ローレンツアトラクタの絵はよく見かけるけど、 実際に動く様子を見る機会はあんまりないと思う。

というわけで、シミュレーションをしてみた。 これは 大気の状態を表現する三つの値x,y,zを三次元座標中の点で表して、 その点の動く軌跡を時間を追って描いてみたもの。 片方の羽の中をぐるぐる回る運動と、左右の羽の間を飛び移る 運動の組み合わせになっているのがわかる。 カオスとは言ってもあらゆる瞬間に不規則な運動を するわけではなく、ぐるぐる回る部分はむしろ規則的で、 左右の飛び移りが不規則さを生み出しているのが、理解できると思う。

動画の上でマウスをクリックするとシミュレーションを停止し、 もう一回クリックすると新たな初期値(大気の状態)を設定して最初からやりなお します。何度でもダブルクリックして遊んでみてください。
初期値を変えると、点の描く軌跡ももちろん違うものになる。 ただし、違うといっても勝手きままな軌跡になるわけではなくて、 必ず同じ蝶の羽の上に軌跡を描く。 そこで、この蝶のことを”アトラクター”と呼ぶわけだ。

青い三本の線は、x,y,zの方向を表す座標軸のつもり。どうも、見にくいね。 なんかいいアイデアがあたら教えてください。


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